2020 Fiscal Year Research-status Report
強風下においても壊れない柔軟性を持つコルゲート翼風車の凹凸形状の設計手法の解明
Project/Area Number |
20K04231
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Research Institution | Nippon Bunri University |
Principal Investigator |
原田 敦史 日本文理大学, 工学部, 准教授 (40612023)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 設計工学 / 流体工学 / 生物模倣技術 / エネルギー工学 / 流体機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
コルゲート翼型タービンを持つ風力発電装置は,流線型を持つ通常の風車のタービンとは異なり,翼断面が凹凸を持つ形状になっている.この形状は,流体力学的な観点から考えられる最適設計の形状とは相反するものであるが,生物のひとつであるトンボの翅は,このような形状となっており,薄いにも関わらず丈夫な構造となっているため,進化の過程でこの形状を得たものと考えられている.本研究では,この形状を応用させたコルゲート翼型風車の破壊現象に注目したものである.このタービンは,樹脂材料を用いた薄い平板を熱間加工により成形しており,ある程度の風速は耐えることができるが,台風などの環境では耐えることができず,フィールド実験において,破壊される現象が確認されている.本研究では,この破壊現象の過程を実験的に解明し,強風下においても壊れることがなく,安定した発電ができる風車の設計手法を明らかにする.今年度は,既存の風洞装置を用いて,強風下における風車の破壊現象を明らかにし,風車の根元部分と,平板と凹凸の切り替わり箇所で多く,破壊が発生していることが明らかになった.さらに,既存の風洞実験装置を改造し,インバータ制御により風速を変化させることができるものとした.この装置を用いることによって,風速変動下におけるタービン翼の振動現象を観測できるようになっている.なお,この装置は,プログラミングされた周波数を与えることができるため,任意の風速分布を与えることが可能になっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度であり,実験装置の製作とこれまでの問題点を概ね整理することができた.2年目以降は,具体的な設計へと移行し,研究を進めていく.
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Strategy for Future Research Activity |
1年目の研究で,破壊される過程や構造的に弱点となる箇所などを明らかにすることができたため,次年度以降はこれの問題点を解決することができる形状の候補を製作しながら,実験を進めていく.なお,シミュレーションを使った解析も用いて問題の解明を進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
コロナ禍の中での研究実施であったため,学会発表に行く機会が少なくなり,予算に差額が生じた.
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