2021 Fiscal Year Research-status Report
マルチマテリアル化に対応したCFRPと金属材料とのリベット接合技術の開発
Project/Area Number |
20K04242
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
海津 浩一 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (50177317)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CFRP/A6061継手 / 打抜きリベット / 衝撃荷重 / CFRP板の打抜き / CFRP板の損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
打抜きリベット接合法は、リベットホルダーで被接合材のCFRP板とアルミニウム合金板を支持しながらリベット軸で2枚の被接合材を打抜き、その後、リベット軸先端を開くように変形させてリベット軸先端とリベットホルダーとを機械的に接合させることで、リベット頭部とリベットホルダーで被接合材を締め付けて接合する方法である。令和3年度の研究計画において、打抜きリベット接合法ではCFRP板とアルミニウム合金板をリベット軸で打ち抜くことによる穴あけを行うため、その打抜き速度が接合した継手の性能に及ぼす影響を検討する予定であった。準静的荷重によりリベット軸でCFRP板とアルミニウム合金板を打ち抜く際に、CFRP板がリベット軸に引っ張られて、たわんだ状態で打ち抜かれることから、CFRP板の打抜き穴周辺に層間剥離が生じると考えた。令和3年度は、計画通りに、令和2年度の研究でCFRP板の損傷を減らせる可能性があることが分かったリベットとリベット支えを用いて、錘の自由落下による衝撃荷重を用いた速い打抜き速度でCFRP板が大きくたわむ前に打ち抜くことを試みた。研究結果として、リベット軸先端の形状とリベットホルダーの形状を改良することで、リベット軸先端をこれまで以上に開くように変形させることができ、リベット支えを用いない場合に比べて接合強度も向上した。しかしながら、接合部の断面の観察結果から、CFRP板の打抜き穴周辺の損傷状態は十分には改善されなかった。そこで、リベット支えにCFRP板の炭素繊維を切断するための刃状突起を設けて接合実験を開始したが、令和3年度中で得られたデータが少なく、まだ十分に検討が行えていない。得られた実験結果からはCFRP板の損傷状態の改善が見られたため、次年度は刃状突起のあるリベット支えを用いた実験データを増やす予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度の研究計画では, 準静的荷重によりリベット軸でCFRP板とアルミニウム合金板を打ち抜く際に、CFRP板がリベット軸に引っ張られて、たわんだ状態で打ち抜かれることから、CFRP板に層間剥離が生じると考え、衝撃荷重を用いて、速い打抜き速度でCFRP板が大きくたわむ前に打ち抜くことを予定していた。計画通りに、錘の自由落下による衝撃荷重を用いた打抜きリベット接合法によるCFRP板とアルミニウム合金板の接合実験を行い、その結果として、衝撃荷重によりCFRP板とアルミニウム合金板の接合を行うことができたが、さらに速い速度での衝撃実験を実施することができなかった。したがって、現在のところ、打抜き速度によるCFRP板の損傷への影響を十分には明らかにできていないことから、進捗状況はやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度の研究計画では、衝撃荷重を用いて接合したCFRP板とアルミニウム合金板の継手の疲労強度を検討する予定であった。打抜きリベット接合法ではCFRP板とアルミニウム合金板の穴あけをリベット軸による打抜きで行うが、CFRP板を打ち抜いた際の打抜き穴周辺の損傷は疲労強度に大きく影響すると考えられる。打抜きリベット接合法の実用化を図るためには疲労強度の検討が必要不可欠である。そこで、令和4年度は予定通りに、衝撃荷重を用いて作製したCFRP板とアルミニウム合金板からなる継手に対して疲労試験を行い、継手の疲労特性を明らかにし、長い疲労寿命を得るための知見を明らかにする。得られた結果については、とりまとめて学会で発表を行う。
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Causes of Carryover |
令和3年度も新型コロナウィルスの影響により、研究活動が大きく制限され、予定していた実験が行えなかったこと、また、研究成果を公表するために予定していた学会が新型コロナウィルスの影響でオンライン開催になったことなどから、次年度使用額が生じた。次年度使用額は予定していた実験や学会発表などに使用することを計画している。
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Research Products
(1 results)