2020 Fiscal Year Research-status Report
Experimental study on vortical propulsion mechanism of biology locomotion on water surface
Project/Area Number |
20K04257
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
李鹿 輝 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (00253906)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 水面歩行生物 / 三次元渦 / 三次元トモグラフィックPIV / 推進メカニズム / アメンボ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、水面歩行生物の渦推進メカニズムを定量的に解明するため、アメンボを対象とする、ステレオ3D-PIVと三次元トモグラフィックPIV(Tomographic PIV)を用いてアメンボの脚が生み出す水面下の三次元渦構造とそのダイナミックを明らかにする。流体力学の視点から、アメンボの推進力または推進効率と生み出す三次元渦構造との関係を解明し、推進メカニズムを定量的に明らかにする。さらに、アメンボの連続水面歩行とその着水のメカニズムも定量的に解明する。本研究で得た渦推進メカニズムなどの知見を手引きとして、本物のアメンボなどの生物と同じような水面歩行能力を備えた小型ロボットを検討する。本年度は以下の研究を行った。 (1)PIV計測と解析 本研究では,アメンボの幼虫と成虫が飛び跳ねる際に, 離水時および着水時を撮影し, PIV解析を行った. アメンボの成虫に関しては離水時に中脚周りに2組の渦が, 着水時は中脚, 後ろ脚周りに計4組の渦が確認できた. アメンボの幼虫に関しての実験では, 成虫と同様に離水時と着水時にそれぞれ渦が確認できた. 離水時の渦に関しては先行研究で, 渦が推進力を提供する役割を果たすことが分かっていたが, 今回, アメンボ幼虫が着水する際のPIV解析画像より, 着水時に渦がブレーキの役割を果たせることが分かった. (2)アメンボの移動速度と流れのエネルギー 離水時にはアメンボが渦を形成し, 水面のエネルギーを最大にした後に離水することが分かり, アメンボが渦を最大限利用して飛び跳ねていることが確認できた. 着水時に関しては, アメンボが水面に渦を形成することにより, エネルギーは着水後単に下がっていくのではなく, 流れのエネルギーが少し上がってから緩やかに低下していくことが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度、新型コロナウイルスの流行により、中国北京航空航天大学流体力学研究所で行う予定の三次元トモグラフィックPIV実験が中止となったため,アメンボの推進メカニズムに関する水面下の三次元渦構造の研究は遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)4台ハイスピードビデオカメラを用いた三次元TomographicPIVにより、大中小三種類アメンボの脚は生み出す三次元流れ場を計測し、様々な三次元渦の運動を抽出する。 (2) 三次元Tomographic PIV計測などの結果に基づいて、大中小三種類のアメンボの動きと生み出す三次元渦構造との関係を定量的に明らかにする。 (3) アメンボの推進力と推進効率を定量的に解明する。 (4)本研究で得た渦推進原理により、水面連続歩行の能力を備えた高効率の小型ロボットのダイナミクス構造を検討する。
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Causes of Carryover |
今年度、新型コロナウイルスの流行により、中国北京航空航天大学流体力学研究所で行う予定の三次元トモグラフィックPIV実験を中止となったため,国際旅費と実験関連品物の購入費を使用してなかった。 次年度、中国北京航空航天大学流体力学研究所で実験を行うため、その国際旅費と実験関連品物の購入費を計画している。
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