2022 Fiscal Year Annual Research Report
進化的計算法を用いた集水装置付き軸流水車の多目的最適化と集水増速作用の解明
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20K04258
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
西 泰行 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (50585122)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小水力 / 水車 / 軸流羽根車 / 集水装置 / 開水路 / 自由表面 / 進化的計算法 / 多目的最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は,前年度に得られた,原型水車に対して圧力回復係数を約-10%と約-35%に変化させた2つのコンセプトの最適化水車を対象に自由表面を考慮した混相流解析を実施した.前年度に実施した圧力回復係数を約-25%とした最適化水車の混相流解析結果と,各圧力回復係数での最適化水車の単相流解析結果も含めて性能特性を総合的に検討した.すなわち,出力係数,軸推力係数,背圧係数および圧力回復係数を目的関数とした本水車の集水装置と羽根車の同時最適化において,水深の浅い開水路において出力増大に寄与しない圧力回復係数を抑制することで集水装置の大型化を抑制するとともに,出力係数を最大化しつつ軸推力係数を低減させるため,圧力回復係数をどの程度抑制すべきか3段階に減少させたときの性能特性に及ぼす影響を調査した. その結果,圧力回復係数が小さい最適化水車ほど出力係数が小さくなるものの,軸推力係数とディフューザ幅・軸方向長さが小さくなること,圧力回復係数が一定以上減少すると単相流解析に対する混相流解析での出力低下が大きくなり,軸推力増大が小さくなることが明らかになった.特に単相流解析において圧力回復係数を約-25%として最適化した水車は,原型水車とほぼ同等の出力係数と軸推力係数が得られ,混相流解析において原型水車に対してほぼ同等の軸推力係数で出力係数が19.4%向上した.その最適化水車は圧力回復係数を制御せず,出力係数と軸推力係数の2目的関数で最適化した水車に対してほぼ同等の出力係数で軸推力係数が減少するとともに,大幅に小型化できた.これらの成果は,水深の浅い開水路で作動する本水車を計算負荷の小さい単相流解析を用いて迅速に最適化するための多目的最適化設計法の構築とその設計指針の確立に資するものである.
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Research Products
(2 results)