2020 Fiscal Year Research-status Report

Development of a gas-liquid-solid multiphase flow simulation method for evaluation of micro-fluidic devices

Research Project

Project/Area Number	20K04297
Research Institution	National Institute of Advanced Industrial Science and Technology
Principal Investigator	高田尚樹国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 上級主任研究員 (60357358)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	茂木克雄国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (20610950) 高木知弘京都工芸繊維大学, 機械工学系, 教授 (50294260)
Project Period (FY)	2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords	混相流 / 数値流体力学 / マイクロフルイディクス / 液滴 / 界面 / 濡れ性 / マルチフェーズフィールドモデル / 格子ボルツマン法
Outline of Annual Research Achievements	現在、国内外の生命・医療・化学等様々な理工学分野では、微小空間で気相・液相・固相が複数種類混在して流れる混相流を制御・利用する多種多様なマイクロ流体デバイスやプロセスの研究・開発が盛んに進められている。それらの機能評価と最適設計に不可欠な混相流現象の解明・予測には数値シミュレーションが有用であるが、従来手法では高精度・高効率な計算が難しい。そこで本研究では、従来の困難を克服するため、気液・固気・固液各界面を自律的に構築する、３相以上の微小な固気液混相流の革新的計算手法の開発に取り組んだ。本年度は、材料の組織形成シミュレーションで多用されるマルチフェーズフィールドモデル（MPFM）を導入して当該研究者らが近年提案している混相流計算手法を発展させ、各相の体積の保存精度を向上させる修正保存形Allen-Cahn界面移流方程式の新たな形式とともに、従来手法より簡易なアルゴリズムで界面移流方程式や流体力学方程式を計算可能な格子ボルツマン法（LBM）を採用して、３相以上の混相流モデルと計算スキームの基盤を構築した。その中で、LBMにおける仮想の流体粒子の衝突演算には、微小空間内の流速や相の空間分布を高精度・高効率に計算可能な二緩和時間（TRT）モデルを適用した。上記の混相流モデルとLBMスキームに基づく手法を実装した計算コードを作製し、２次元流路内の液相中に３種類の液滴が含まれた４液相流れの数値シミュレーションを実施した結果、各相の液滴の体積を良好に保存しつつ、液滴が相互に接触して界面を変形させながら移動する複雑な流れ場を捕捉することに成功した。以上により、構築した計算手法の基盤は、３相以上の混相流現象への適用可能性を備えており、数値シミュレーションの高精度・高効率化に寄与し得ることを確認した。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 当初計画通り、当該研究者らが近年提案した任意の数の気相・液相を取扱可能な混相流モデルを拡張し、LBMに基づく計算スキームを採用して三相以上の系に適用可能な混相流計算手法の基盤を構築することができた。また、2次元計算コードを作製して試験的シミュレーションを実施して、計算手法の適用可能性を確認することができた。
Strategy for Future Research Activity	今後更に研究を推進するため、研究代表者・研究分担者らは協力して、本年度の成果を基礎にして、引き続き固気液混相流モデルの構築を行うとともに、3次元並列化計算コードの開発、可視化実験による混相流計算法の検証・改良に取り組む。新型コロナウィルス感染状況下でも効果的に研究計画を遂行するため、当該研究者らで適宜メール連絡やリモート会議での打ち合わせを行う。
Causes of Carryover	（理由）競争入札により計算機を当初想定の見積額よりも安価で購入できたこと、及び、新型コロナウィルス禍により当該研究者らの打ち合わせや学会講演会参加等のための出張を控えたことにより、次年度使用額が生じた。（使用計画）本年度購入した計算機で得られるデータのバックアップ用の外付ディスクドライブ等の消耗品の購入、混相流計算法の検証・改良に必要な可視化実験計測に使用する器具や装置の購入またはそれらの製作と試験に係る材料費・施設利用料・外注費、学会参加費、新型コロナウィルス感染状況沈静化後の旅費、関連研究資料の購入、論文投稿料・英文校閲費、等に使用する。