2023 Fiscal Year Annual Research Report
Innovation of global and noniterative field optimization, driven by perturbation theories
Project/Area Number |
20K04317
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
石田 秀士 摂南大学, 理工学部, 准教授 (80283737)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 最適化 / 相空間 / Banach空間 / 摂動論 / 非反復 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年度の検討を踏まえ,主として本研究の数学的側面について集中的に検討した.その結果,適切にBanach部分空間を構成すると,これは前年度までに扱った相空間と同相となり,最適化に用いられる直接法と随伴法という二つの手法がこの空間上で統一的に扱えることを明らかにした.この定式化は非常に広範な偏微分方程式系や常微分方程式系に適用可能であるので,極めて応用範囲が広いと期待できる.
一方で,本研究では大域的非反復の最適化手法の提案を行うことを当初目的としていたが,これが可能である最適化問題は限定されることも明らかとなった.しかし本研究で開発した手法を用いると,最適化に必要な評価関数の感度を可能な限り計算量が少なくなるようにでき,なおかつそれを一般的に見通しよく行えることも明らかになった.この計算量削減効果は拡張された力学的方程式系が安定定常解を有する時に顕著である.
さらに,本研究に並行して行なった強制振動熱対流の応答の数値的検討の中で,場の応答のほとんどが振幅の2次までの非線形性で定量的に表現可能であることが明らかとなった.これは摂動論の2次近似が有効であることを示しており,このような近似を用いた計算量削減効果については,すでに大域的非反復最適化の例としてIshida, IharaらがNumer. Heat Transfer誌に2019年に発表しているが,この近似の適用範囲をさらに積極的に広げれば,最適化計算において非反復化も含めたさらなる計算量削減が期待できる.今後の課題である.
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