2020 Fiscal Year Research-status Report
副室トーチ火炎を用いた能動的ノッキング制御技術の構築に関する研究
| Project/Area Number |
20K04330
|
|---|
| Research Institution | Oita University |
|---|
Principal Investigator |
田上 公俊 大分大学, 理工学部, 教授 (60284783)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
| Keywords | 燃焼 / 副室点火燃焼 / 内燃機関 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
現在，運輸・発電分野におけるエネルギー利用の主力である火花点火エンジンの熱効率向上のために高過給・高圧縮比化がすすめられているが，高過給・高圧縮比化により異常燃焼（ノッキング）が発生しやすくなることから，ノッキングの現象解明および回避策の確立は熱効率向上に際して重要な課題となっている．申請者のこれまでの研究から燃焼場の温度勾配を制御することで，ノッキング強度を低減できる可能性があることがわかった．本研究の目的はノッキングの現象解明と，副室からのトーチ火炎により，能動的に燃焼室に温度勾配を制御することでノッキング強度を低減する技術の確立である．本年度は副室を備えた定容燃焼器を用いて主室の燃焼に及ぼす副室点火の影響に関してメタンを対象に体系的な考察を行い，以下のことがわかった．
1. 燃焼に至らなかった当量比1，初期圧力0.3MPaの条件に対して，初期圧力を上げることで主室の燃焼が確認できた．このことから初期圧の増加は，主室の着火特性を改善させることがわかった．
2. 燃焼に至らなかった当量比1，初期圧力0.3MPaの条件に対して，当量比を0.8にした条件では噴流速度がかなり低下し，着火に至った．また，噴孔断面積を拡大した条件でも，噴流速度が低下し，主室の着火が確認できた．
3. 噴流強度の増加で噴流速度は増加するが，同一噴流強度においても圧力，当量比により，噴流速度は変化する．
結果として論文4報，学会発表8件を行った．
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した定容燃焼器を用いた実験計画に関しては概ね達成した．また，前述のように，今年度は定容燃焼器を用いた研究により，論文や学会発表を行った．RCEMの実験に関しては，装置セッティングが遅れたため，来年度以降の課題となった．
|
| Strategy for Future Research Activity |
RCEMで実験を行う．装置はほぼ完成しており，実験は来年度行える予定である．定容燃焼器を用いた実験では，液体燃料の実験を行う．
|
| Causes of Carryover |
前述のようにRCEMのセッティングに遅れが生じ，研究費の残が生じた．RCEM自体は既存の装置であるが，副室の設置はこれからである．次年度の副室の設計および制作費に使用すして，全て完成させる計画である．同時に液体燃料の実験を行う．
|
