2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K04335
|
Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
牧 祥 岡山理科大学, フロンティア理工学研究所, 准教授 (20502256)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 熱物性値 / タンパク質結晶 / 磁気浮上 / 非定常短細線加熱法 / 異方性 / 結晶成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質結晶の熱物性値の異方性の有無に関する最初の論文を発表した。 S. Maki*, S. Fujiwara, S. Tanaka, E. Erzalia, M. Kato, K. Higo, Y. Isaka, R. Maekawa, M. Hagiwara, and T. Arata, “Temperature dependence and anisotropic effects in the thermal properties of hen egg-white lysozyme crystals”, Symmetry 12(8), 1279 (13 pages) (September, 2020). さらに、明石高専との共同研究で、非定常短細線加熱法を用いて、測定未知の生体試料(生きた状態の粘菌)の測定に成功し、論文発表した。 S. Maki*, S. Kuroda, S. Fujiwara, S. Tanaka, E. Erzalia, M. Kato, K. Higo, T. Arata, T. Nakagaki, “Thermal conductivity and thermal diffusivity of slime mold (Physarum polycephalum)”, Biomedical Journal of Scientific and Technical Research 31(3), pp. 24140-24145 (October 2020). タンパク質結晶の効果的な磁気浮上を実現するために、岡山理科大と物質・材料研究機構と共同で新しい磁気力ブースターの特許申請を進めている。既に弁理士にも依頼している。また。熱物性値の異方性を測定するための小型容器を独自開発し、今夏に阪大で実験実証を試みる。うまくいけば、これについても特許化を実現する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響で、2020年度は学外での大型実験が不可能となり、実験回数が大幅に減ってしまったことで、大きな成果は得られなかった。2020年度は、それまでの数少ないデータを使って論文化を進めつつ、装置開発、特許申請の準備などにも研究時間を振り分けたが、研究全体の進捗は遅れていると言わざるを得ない。2021年度は実験中心の研究を可能な限り展開し、昨年度の遅れを取り戻したいと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究のメインテーマである熱物性値の異方性の測定は、明石高専との共同研究による傍証結果から、具体的な方針と課題が明確になってきた。観察装置や結晶化容器を独自に開発することで、実験精度を上げる取り組みは順調であることから、今年は阪大やつくばでの実験を成功させることが最大の課題である。COVID-19の影響で実験出張の制約も多いが、少ない時間を計画的に利用して、最大の効果を得られるように努力するつもりである。
|
Causes of Carryover |
COVID-19の影響で阪大やつくばでの大型実験に行けず、旅費を中心に「次年度使用額」に差異が発生した。
|
Research Products
(3 results)