2021 Fiscal Year Research-status Report
Elusidation of the mechanism of the "jumping and dropping effect near the mechanical resonance of a piezoelectric element and the solutions to its technical problems
Project/Area Number |
20K04341
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
足立 和成 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (00212514)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 跳躍・降下現象 / 圧電セラミック振動子 / 電界集中 / 分極反転 |
Outline of Annual Research Achievements |
富士セラミックス製の圧電セラミックのうちの、ハード系のC-21及びソフト系のC-6の直径40mm、厚さ6mm及び3mm(C-6のみ)の3種類の円盤型振動子(上下面に焼き付け電極を施してある)の、圧電横効果による周方向に沿って一様な振幅で半径方向に振動する最低次の固有振動モードについて、機械共振(アドミタンス共振)周波数付近における「跳躍・降下」現象の発現を実験的に確認した。さらに同じ印加電圧なら、厚みが薄いハード系の圧電セラミックの円盤振動子のほうが、同現象が顕著であることを見出している。また、それらの円盤型振動子について、圧電性を考慮した有限要素解析システムを用いて、内部電界の乱れに伴う電界集中が引き起こす局所的分極反転を模擬するシミュレーションを行った結果、実験と類似の「跳躍・降下」現象が定性的に再現できた。これらの結果から、「跳躍・降下」現象の原因が、電極間短絡時の機械共振(アドミタンス共振)周波数付近で起きる圧電振動子内部の電界集中に伴う局所的分極反転である可能性が高まった。しかし、実験は特定の振動子でしか行っていないため、結晶ドメインごとに生じると考えられる分極反転に同現象の原因を帰するためには、同じ圧電セラミックを用いたいくつかの同型の振動子でも、同現象が観察されるか否かを確かめる必要がある。ただ現時点で既に、圧電セラミックの三次の弾性係数の効果が同現象の原因であるとの従来の節は、その説得力を完全に失ったと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年度には、新型コロナウィルス蔓延の影響を大きく受け、さらに今年度(2年目)においても外部の人材からの助言・指導を受けることなどに支障をきたしていた。しかし、現場での直接指導の必要のない2回目以降の助言・指導については、リモートでの指導等の対策を打つことで、その影響はかなり緩和することに成功した。ただ、実験時に避けることの出来ない圧電セラミック円盤型振動子の機械的支持の影響を極力排除し、純粋に「跳躍・降下」現象の発現だけを捉える実験手法を案出することに、今年度当初はかなり時間がかかってしまった。それでも初年度からの事態の推移を考慮すると、かなり遅れを取り戻してきていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
まだ数個の圧電セラミック円盤型振動子でしか「跳躍・降下」現象の実験的確認を行っていない。既に述べたように、本研究が目指している同現象の機構解明に至るためには、同じ圧電セラミックを用いたいくつかの同型の振動子でも、同現象が観察されるか否かを確かめる必要がある。すなわち現象の再現性を確認していかねばならない。幸い、本年度当初に案出に手間取っていた、同現象の確認に影響を及ぼさない圧電セラミック円盤振動子の安定的な機械的支持方法が見出せたので、同現象の実験的確認を同じ圧電セラミックの同型の多くの振動子で、実験的に確認していく方針である。また、本研究のもう一つの目的である、「跳躍・降下」現象によって機械的共振周波数付近生じる圧電セラミック振動子の動作の不安定さの技術的克服についても、関連した研究の結果から、有限要素シミュレーションを利用した同共振周波数付近での駆動周波数領域の設定などによって、実現する見通しがついてきている。
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Research Products
(1 results)