2021 Fiscal Year Research-status Report
Quantification of mechanical properties of fresh snow surface on slope and development of mobile robot on snow
Project/Area Number |
20K04342
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
有我 祐一 山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (40372338)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 雪上ロボティクス / 新雪 / アルキメディアンスクリュ / 移動機構 / 表層雪崩 / 斜面 / 登坂 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,表層雪崩を予見するために,新雪上を移動可能な調査ロボットを開発している.本年度は移動機構を改良し,その有効性を検証した. 先行研究で用いていた移動機構は移動は可能であるものの積載量が不足していた.これは,雪面に接するスクリュ筒の面積が小さく,荷重により機体が大きく沈下してしまうためである.この解決策として,スクリュ筒の直径を従来の2倍の200mmとした.同時に,従来4本用いていたスクリュを2本に減らすし,機体の小型化と制御の簡単化を図った. 新たに試作した機体は,筒直径200mm,翼高50mm,筒長400mmのアルキメディアンスクリュ2本を備え,全長765mm,全幅600mm,全高600mm,機体総重量14.7kg(制御器,バッテリ含)となった.先行研究で用いていた機体(全長810mm,全幅1125mm,全高100mm)より全長と全幅が小型になり斜面の障害物を避けやすくなった.しかし,全高は大幅に高くなり斜面で転倒する危険性が増した.また機体重量は約7kg増加した.これは大型スクリュを搭載して実験すること優先したため機体設計が最適でないことが原因である.この点は次年度の課題である. この機体を用いた試験を行った.平地の新雪上(密度は表面0~100mm:約55kg/m^3,深さ100~200mm:約100kg/m^3)において,速度43m/hの推進と,1動作あたり約20度の旋廻が可能であることが確認された.また,平均斜度15度(最大約20度)の斜面を45分かけて高さ約7m登坂した.さらに,短距離ではあるが約45度の斜面も登坂できた.一方,50度以上の斜度で機体が転倒することも明らかになった. 以上の結果から,目標である斜度45度の新雪面を登坂可能なロボットの実現の目途が立った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
転倒に対する安全率を向上するために機体高さを低くして低重心化することが必要ではあるものの,目標である斜度45度の新雪斜面を登坂可能なロボットの機体の目途が立った.また,この機体の制御システムは,昨年度に高精度測位技術を利用した自律制御システムを実現している.これらを組み合わせることで,最終年度目標の「斜度45度の新雪斜面を自律制御での登坂」は達成できる.
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Strategy for Future Research Activity |
まず設計変更により機体の低重心化を図る.これにより,斜面の凹凸によって局所的に想定以上の斜度となった場合に機体が転倒することを防ぎ,自律制御ロボットとしての安全率を向上させる.同時に機体を軽量化による積載能力の向上を図る.最終的に,昨年度に実現したGNSSを利用した制御システムを搭載したうえで,斜度45度の新雪斜面を自律制御での登坂を実現する.
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