2022 Fiscal Year Annual Research Report
Quantification of mechanical properties of fresh snow surface on slope and development of mobile robot on snow
Project/Area Number |
20K04342
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
有我 祐一 山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (40372338)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 雪上ロボティクス / アルキメディアン / 移動ロボット / 新雪 / 斜面 / 雪崩 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではアルキメディアンスクリュを利用した移動機構を搭載した雪上移動ロボットを提案している.これを実現することで人間が雪崩に巻き込まれることなく斜面の積雪層を調査することが可能となるため,予測が難しい表層雪崩の発生を事前に察知することに貢献できる.移動機構はらせん状のスクリュ翼を側面に有した筒(以下ドリル)を左右対称に配した構造になっており,各ドリルの回転方向を制御することで前後への移動や旋回動作が可能である.先行研究では新雪平面上の推進は確認できていたが,斜面登坂の成功には至っていなかった.そこで本研究では,斜面登坂の可能なドリル推進機構を開発し,新雪平面,斜面上での移動性能を評価した. 初年度は模型を用いて新雪上での試験を行い設計に必要な基礎データを取得した.その結果,ドリルの半径を従来の2倍(100mm)とし,さらに使用本数を4本から2本に減らした構造にすることで,機体のコンパクトさと推進・積載の両性能を満足できることが明らかになった. 次年度は大型ドリルを用いた試作機を製作した.雪上での実験の結果,平均傾度15度(最大20度)の新雪斜面上を安全に推進できること,こしまり雪であれば斜度50度以下の斜面を登坂できることを実証した.また,傾度の大きい斜面を推進するための工夫として機体重心位置を前方に配したことが斜面での転倒を適切に防いでいることも明らかになった. 最終年度は,さらに低重心化を図ったドリル推進機構を製作した.またドリルの回転速度を制御する機能も付け加えて高機能化も図った.実験の結果,平均傾度30度(最大33度)の新雪斜面の登坂,降坂に成功した.また回転速度制御を行うことで直線的な移動や任意の半径の円弧を描く旋回移動が可能となった.これにより,新雪斜面上の移動軌道を計画する際の動作の選択肢が増え,障害物の回避や目標位置への移動計画を容易にすることが可能になった.
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