2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K04355
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
鳥澤 眞介 近畿大学, 農学部, 講師 (80399097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹原 幸生 近畿大学, 理工学部, 教授 (50216933)
高木 力 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (80319657)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | バイオメカニクス / 魚群行動 / PTV(流体可視化計測)解析 / CFD(数値流体力学)解析 / エネルギーコスト |
Outline of Annual Research Achievements |
賢く獲る漁業技術の開発が近年求められているが,生産手段の最適化は対象生物(魚類)の行動特性を理解せずには実現できない。したがって,魚類の群行動についての基本的理解とそのための研究は不可欠である。 本研究では,魚類が群れを形成する意味を物理的側面からアプローチすることにより,その本質的意義の解明を目指す。背景となる力学的論理基盤から群を形成したことによる移動エネルギーコストの利得が単一個体よりどの程度のアドバンテージとなり,魚群の規模によりどのような差がでるのかを明らかにする。これをベースにして,種の違いによる魚群の移動距離・速度とエネルギーコストの適値と限界,また群を形成する種がなぜその魚群規模となるのか,その極限や最適規模,さらに魚群の立体構造の必然性や最適性について,一つの体系的理論からこれらの説明や解釈を可能とする革新的アプローチ手法の確立を試みている。 PTV(流体可視化計測)実験では,マアジを対象種として3尾で形成される魚群を回流水槽で巡航遊泳させ,群泳時の魚体後流域の流況可視化実験を2種類のレーザー光源と高速カメラを用いて2日間にわたり2回実施した。現在は当該実験で撮影した画像から流況を明かにするために,魚体後流域の流速ベクトルや渦度分布の解析を実施中である。 CFD(数値流体力学)解析実験では,ビワマスを対象種としてデジタルビデオカメラで撮影した遊泳運動から魚体の遊泳運動関数を算定した後,並列遊泳する2尾の魚体モデルに遊泳運動を与えて群泳を再現し,数値流体力学解析により魚体モデルに作用する圧力とその分布を算出することで流体力学的効果を求めた。並列で遊泳する個体は個体間の距離を全長の0.4倍から2.0倍まで変化させた場合,0.4全長倍距離のとき推進効率が最も良く,尾鰭の振動が互いに逆位相のとき,単体で遊泳するよりも推進効率が約10%向上することを明かにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PTV実験では,回流水槽で魚群を形成して遊泳する複数の個体の後流域の流況測定を異なる撮影装置を用いて2回実施できた。現在は魚群遊泳時の個体まわりと後流域の流れ場の速度ベクトルや渦度の分布の解析を実施しており,研究は順調に進んでいると考えている。 CFD解析では,魚群を形成して遊泳する個体の遊泳時の魚体表面に作用する圧力の分布を定量的に求めることによって,推進効率の算定が可能となっており,研究は順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
PTV実験では新規の撮影装置を用いた測定を実施できており,今後は実験ケースを増やすことが可能となる。 CFD解析では並列遊泳する2尾に着目して実験を実施したが,3尾目を追加して数値流体力学的手法によるシミュレーション(計算)および推進効率の算出を実施中であり,今後個体数と実験ケースを増やして解析をすすめることが可能だと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため共同研究のための出張が認められず,次年度に繰り越したため。
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Research Products
(5 results)