2022 Fiscal Year Annual Research Report
動的均質化法にもとづく弾性・音響メタマテリアルの設計法構築
Project/Area Number |
20K04367
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
山本 崇史 工学院大学, 工学部, 教授 (30613640)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 均質化法 / トポロジー最適化 / 多孔質材 / 吸音材 / 吸音率 / 微視構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
構築した動的均質化に,密度法にもとづくトポロジー最適化を組み込むことを検討していたが,密度法にもとづくトポロジー最適化の収束性に問題があることが分かった.内挿関数やペナルティとして与えるべき乗の値などを検討したが,周波数や初期条件に大きく依存し,条件ごとに設定が必要であり統一的な指針が得られていない.なお,ミクロ・マクロスケールをまたいだ随伴変数による設計感度は,数値差分感度と1%以内の精度で一致しており,感度解析には問題ないことを確認している.今後も引き続き検討する予定である. 並行して低周波数帯域における散逸エネルギーを向上,すなわち吸音率を向上させる微視構造の適正化を検討した.ここでは,微視構造を適正化することで音波の伝播経路を屈曲化させ,流路を長くするという考え方を応用し,連続気泡で構成される微視構造に,独立気泡を周期的に混在させるという新たな微視構造を考案した.混在させる独立気泡の大きさや周期間隔を変えることで垂直に入射した音波の伝播方向を約45度傾けることができた.共振系を含む構造ではないが,一種のメタマテリアルと考えることができる.数値計算検討の結果,ユニットセルサイズが400μmの場合,厚さ10mmで1kHzの吸音率0.5 を達成できることを示した.なお,計算検討には移植したCOMSOLの弱形式機能を用いたコードを使用し,効率的に行うことができた.また,光造形方式の3Dプリンター(BMF社micro Arch S240)で実際に試作してその効果を検証した.装置の空間分解能の制約からユニットセルサイズは1mm程度と適正化検討結果よりも大きいものになったが,独立気泡を混在させたとき周波数特性は同様の変化をすることが確認できた.
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