2020 Fiscal Year Research-status Report
Safety development of regional railway using smart phone
| Project/Area Number |
20K04368
|
|---|
| Research Institution | Nihon University |
|---|
Principal Investigator |
綱島 均 日本大学, 生産工学部, 教授 (30287594)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
| Keywords | 鉄道 / 安全性 / 状態監視 / 軌道 / 踏切 / 状態基準保全 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
営業車両を利用した軌道の状態監視において，比較的高精度で軌道状態が監視できる列車動揺検査装置として，センサ及び通信機能を内蔵したスマートフォン（小型情報端末）の活用が有効であると考えられる．会津鉄道路線において，スマートフォン（小型情報端末）を用いた車体動揺計測を実施した．また，軌道検測車（マヤ車）を用いて，軌道不整量の計測を行った．その際に，小型端末内蔵のGPSの緯度経度を用いた位置情報では，適切な補修位置を指示することが精度的に問題となることが考えられる．そこで，GPSの搬送波のドップラ効果に基づき測定される速度に着目し，この速度情報を移動距離に換算し，軌道補修の位置同定の精度検証及びGPSの速度情報を地点検知データとして活用するための検証を行った．マルチパスの影響を除去できる信号処理方法を開発して適用した結果，位置測定誤差を数m程度とすることができ，実用上十分な精度が得られた．また，営業列車で車両動揺を測定するには，車両床上台車センターピン位置での測定は現実的にはできないため，運転台等で測定するための課題と解決方法を検討した．さらに，マルチボディシミュレーションソフト(SIMPACK)を用いて，軌道不整と車体動揺の関係を理論的に検討した．これらの成果は，鉄道技術に関する国際会議 STECH2021(千葉)，鉄道技術連合シンポジウム J-Rail2021(名古屋) 等で公表する予定である.
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地での計測を行う必要があるが，コロナウイルス感染拡大の影響により，現地出張が制限されたため，十分な計測が行えていない．また，スマートフォンを用いた列車接近警報システムについても，現地での試験を実施できていない．一方，信号処理方法等，机上で検討できるものから検討を進めている．
|
| Strategy for Future Research Activity |
車体動揺と実際の軌道状態の関係性の理論的に明確化することを，現状としては推進する．現地（会津鉄道，山形鉄道）への出張が可能になれば，実測データを取得することを定期的に実施する．スマートフォンを用いた列車接近警報システムの開発については，現在明らかになっている問題を解決した上で，現地での実証実験で検証を行う．
|
| Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大のため，下記の事態が発生した．・出張が制限され，現地での実験ができなくなった．・学生の入構が禁止されたため，解析業務補助の学生を採用できなかった．・共同で研究を行っている交通安全環境研究所，京三製作所ともリモートワークのため業務が大幅に遅れた．
令和２年度に実施できなかった現地での実験については，令和３年度に会津鉄道，山形鉄道で実施する予定である．ただし，今後の状況によっては，さらに現地での実験を延期せざるを得ない状況も考慮する必要がある．
|
Research Products
(5 results)
