2021 Fiscal Year Research-status Report
空気流入による減衰力可変型粒状体ダンパーに関する研究
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20K04372
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Research Institution | Toba National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
林 浩一 鳥羽商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (30613947)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ダンパー / 減衰力 / 粒状体 / 空気流入 |
Outline of Annual Research Achievements |
シリンダー内に比較的高い充てん率で粒状体を充てんし,その中に配したピストンを動かす際に発生する粒状体の流動抵抗力を減衰力として利用するダンパー(以下「粒状体ダンパー」と記す)を水平方向に設置し,充てんした粒状体内に空気を流入させることによる,減衰力特性の変化挙動を実験的に調べた.令和2年度は空気の流入口と放出口を結ぶ軸が鉛直方向になるようにダンパーを設置し,下側から空気を流入させた場合に,流入空気流量が減衰力に及ぼす影響を調べたのに対し,令和3年度は,空気の流入向きを変えて同様の実験を行い,流入空気の向きが減衰力特性に及ぼす影響について調べた.粒状体には呼び径0.5 mmのジルコニアボールを用い,充てん率0.590で粒状体ダンパーに充てんした.粒状体ダンパーには,振幅一定の正弦状の強制変位を,0.1~10.0 Hzの周波数で加え,流入空気量を0~40 L/minの範囲で変化させた場合の減衰力と変位の関係を測定した.その結果,設定した実験条件においては,空気の流入向きにより減衰力特性の変化挙動が異なることが明らかになった.このことは,空気流入により減衰力特性の変化を行う粒状体ダンパーにおいては,空気の流入方向を決めて設置することが必要となることを示している. 一方で,粒状体ダンパーの制振特性の確認実験を行うため,粒状体ダンパーを組み込むことができ,振動系に強制変位を与えるために使用する加振器の加振周波数範囲に合わせ振動系の固有振動数を設定した1自由度振動系実験装置の設計を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和3年度は,数値解析による空気流入の影響を考慮した減衰力特性計算手法の確立と,粒状体ダンパーの制振効果を実験により確認することを予定していた. 減衰力特性計算手法の確立については,空気流入の影響を考慮しない場合の計算結果についても実際の現象と計算結果が合わないことから根本的にプログラムの見直しを行っている.現在のプログラムでは計算時間がかかりることもあり,プログラムの見直しに時間がかかり予定よりも遅れている. 一方で実験による制振効果の確認については,実験装置の製作に利用予定であった施設の改修工事に伴う利用停止の影響を受けて実験装置の製作ができなかったことから予定よりも遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は,まずは令和3年度に予定していた減衰力特性計算手法の確立と,実験による粒状体ダンパーの制振効果の確認を急ぎ行う.減衰力特性計算方法の確立については,粒子数が多いことにより計算時間が長大になることがネックになっているため,粒子数を少なくした条件でプログラムを見直すことで,計算手法確立までの時間短縮を図る. 一方で実験による制振効果の確認については,外部企業に実験装置の製作を依頼することで,実験の準備に要する時間短縮を図る.
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Causes of Carryover |
令和3年度は,数値解析による空気流入の影響を考慮した減衰力特性計算手法の確立と,粒状体ダンパーの制振効果を実験により確認することを予定していた.上述した理由によりともに予定通り進んでいないこともあり,必要経費に計上していた物品の購入をしていないことで次年度使用額が生じた.令和4年度に,令和3年度と令和4年度に予定していた内容の研究をできる限り進めるつもりであり,それに伴い令和4年度は,令和4年度請求額と次年度使用額とを合わせて予算を使用する予定である.
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