2020 Fiscal Year Research-status Report
測地線に基づいた低減速比ロボットアームの簡易動作生成法の開発
Project/Area Number |
20K04377
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
関本 昌紘 富山大学, 学術研究部工学系, 講師 (40454516)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ロボティクス / 多関節ロボット / 運動制御 / リーマン幾何学 / 低減速比関節 |
Outline of Annual Research Achievements |
人や物との接触を柔軟に行うため,ロボットアームの関節駆動部ギアを低減速比化した場合,動作アームの慣性モーメントの影響増加により運動方程式の非線形性が強くなり,出力できる制御トルクが小さくなる.本研究の目的は,この非線形運動の制約制御問題に対し,リーマン多様体上の測地線の速度台形則への着眼から,慣性を効果的に用いた簡易動作生成法を確立することである. 本年度,ホロノミック拘束下でリーマン多様体上の2点間の長さが最短になるための必要条件を,変分法により導出した.慣性行列に関係するリーマン計量を導入した多関節システムの配位空間は,リーマン多様体をなす.リーマン多様体上の各点は,システムの状態(姿勢)を表す.この多様体上の特定の2点間をホロノミック拘束下で移動するとき,その経路が最短(リーマン距離)になるものは測地線と呼ばれ,経路の移動量に関する項,リーマン接続に関する項,ホロノミック拘束を保つ強制項の和がゼロになる方程式を満たす.特に,経路の移動量が一定であるとき,経路の移動量に関する項は常にゼロとなり,この方程式は幾何拘束を保ったシステムの慣性運動を意味する.この関係は,異なる種類・個数のホロノミック拘束に対して成立し,同様の形式で表せることを明らかにした.この式は移動量の異なる場合の関係も表しており,本研究の対象である経路の移動量を速度台形則に沿って決める運動,すなわち,一定でない運動を扱うための重要な関係を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験環境の構築に遅れが生じているため.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に沿って推進する.具体的には,測地線速度台形則による関節軌道計画法の構築,低次の時間関数に近似する簡易動作生成法の構築,実験環境の構築を行う.
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Causes of Carryover |
実験環境の構築および研究成果発表に遅れが生じているためであり,当初計画の推進に使用する.
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