2020 Fiscal Year Research-status Report
UWB通信を用いた自己位置推定システムの低信頼性空間回避ナビゲーション
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20K04379
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
東 善之 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 助教 (70585760)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Ultra-Wide Band / DOP / 位置推定 / 屋内測位 / UWB |
Outline of Annual Research Achievements |
◆通信電波強度地図の構築 UWB(Ultra-Wide Band:超広帯域)通信を行うアンカー(固定局)とタグ(移動局)間の通信電波強度分布の数値シミュレーションによる作成方法について検討し,複数のソフトウェアにより通信環境の壁面形状を加味したレイトレーシング法での計算が可能であることを確認した.また,当初予定していたポータブルスぺクトルアナライザでは電界強度計測が困難であることが分かった.そのため本学電波暗室にて据え置き型のスぺクトルアナライザを利用したUWB通信時の電界強度の計測も実施し,開発中のデバイス間の直接波,アルミ製金属板による反射波について計測し,反射板の角度による減衰量の差異についても確認した.
◆推定精度分布地図の構築 空間内に配置したUWB通信アンカーによる位置推定精度分布を数値計算ソフトウェアMatlabにより求めた.また,新たなアンカーを設置した際に,その設置座標を既存のアンカーとの通信により求めることで,作業者がアンカー位置を計測することなくUWBタグの位置推定が可能な空間を拡張する手法を提案した.この時,追加していくアンカーのレイアウトを平面型配置,直方体型配置,三角錐型配置の異なるパターンにて検証し,立体的に配置することでDOP(Dilution of Precision:精度低下率)の低減効果が高くなることを数値シミュレーションにより示した.これらの成果は査読付き国際会議IEEE TENCON'20にて論文発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
購入を予定していたハンディスペクトルアナライザの評価がコロナウィルス感染症拡大の影響により遅れ,その後の評価結果も良好ではなかったことから,通信時の電波強度について別途計測方法を検討する必要があったため.
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Strategy for Future Research Activity |
UWB通信デバイスの周囲360度の空間にタグを移動させつつ電波強度・アンカーからの距離を計測し,計測時のタグ座標の真値と比較することで,アンテナ指向性を加味した伝搬特性の理解を図る.また,この結果を通信電波強度地図および推定精度分布地図の構築にフィードバックすることで,計算モデルの精度を高める.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症拡大の影響により国際会議がオンラインとなったため旅費が不要となった.また,購入予定であったポータブルスペクトルアナライザによる計測が性能上困難であることが購入前に判明し,購入を断念したため次年度使用額が生じた.使用計画として,本年度実施予定である電波強度と推定精度の検証実験の装置購入費として使用する他,論文投稿費等にも使用していく予定である.
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