2021 Fiscal Year Research-status Report
注意と状況認識の脳機能の解明及び高齢運転者支援システムへの適用
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20K04381
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
張 明 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 客員教授 (90869314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 景龍 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 教授 (30294648)
江島 義道 岡山大学, 自然科学研究科, 客員教授 (60026143)
高橋 智 岡山大学, ヘルスシステム統合科学研究科, 准教授 (20236277)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 状況認識 / 自己優先効果 / 空間遠近 / 多感覚統合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究今年の研究計画としでは、昨年度の成果に基づいて、高齢者に適用できる注意と状況認識の実験タスクを考案し、実施することを目指している。また、注意の3つのサブネットワークの観点(Posner, 1990)から、状況認識と注意の喚起ネットワーク、指向ネットワークと実行制御ネットワークの行動学、脳波および磁気共鳴画像法(fMRI)の実験を実施し、独自に開発した多感覚モダリティ・マルチメディア解析とディープラーニングなどの手法を用いて実験データの統合処理を通じて、注意と状況認識の脳機能ネットワークを提案する。 記の計画の通り、研究者らの従来の成果を生かして、高齢者に適用できる注意と状況認識の新しい実験タスクを実施した。まず、自己関連情報は,他者関連情報より正確に早く処理することを自己優先効果と呼ばれている。研究者ら磁気共鳴画像法(fMRI)を利用して、自己優先効果と空間遠近の脳的関連性が見られ、安全運転に関与する人間の視野空間遠近の認識能力の脳内部位を同定した。今後高齢者の空間遠近の識別能力実験タスクの考案に適用できて、重要な効果が見られた。これらの成果は2022年度年度の「Scientific Reports」学術誌に掲載されている。また、状況認識に関与する人間の多感覚統合について、研究者ら機能的磁気共鳴画像法(fMRI)と多感覚Go / No-goタスクを使用して、同時に発生する視覚と聴覚刺激に生かした運動反応特性に関する脳内部位を調査した。左IPL、左PreCG、両側STG、および腹側の神経回路と人間の多感覚統合に生かした運動制御と関与すると示唆した。この成果では2022年度の「NeuroImage」学術誌に掲載された。さたに、高齢者に適用できる注意と状況認識の新しい実験タスクを実施した上で、「Acta Psychologica SinicaとPerception」2件の学術論文を採択して、掲載している。以上の成果基づいて、今年度の研究進歩は前年度の研究計画の通りに進行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年末からコロナの影響を受け、申請人は日本での直接の研究活動が難しくなっており、研究の進みはネットミーティングで行っていた。その原因で、本研究の計画の通り、車両制御、監視、危険回避などの運転プロセス解明や、日本の高齢運転者の運転特徴などの測定が難しいか、ほかの状況認識に関する脳内メカニズムの解明は優先して進行した。そのため、今年度の研究進歩は前年度の研究計画の通りに進行していると思われる。来年では、2020年度に遅れた研究内容を早めに完了し、予定通り研究を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度の研究計画は、今年度の成果を踏まえて、研究者ら注意訓練による状況認識の支援効果について、検証する。注意訓練と状況認識増進効果の関連性を検討するため、注意の喚起ネットワーク訓練、指向ネットワーク訓練と実行制御ネットワーク訓練の実施とデータ解析の結果に基づいて、注意訓練による高齢者の状況認識の支援方法を提案し、ドライビングシミュレータを用いて高齢運転者への支援効果を評価する。
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Causes of Carryover |
2019年末からコロナの影響を受け、申請人は日本での直接の研究活動が難しくなっており、研究の進みはネットミーティングで行っていた。その原因で、本研究の計画の通り、車両制御、監視、危険回避などの運転プロセス解明や、日本の高齢運転者の運転特徴などの測定が難しいか、ほかの状況認識に関する脳内メカニズムの解明は優先して進行した。そのため、今年度の研究進歩は前年度の研究計画の通りに進行していると思われる。来年では、2020年度に遅れた研究内容を早めに完了し、予定通り研究を進める。
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Research Products
(4 results)