2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on decision making methods that makes mobile robots avoid risks on their tasks under uncertainty
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20K04382
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
上田 隆一 千葉工業大学, 先進工学部, 准教授 (20376502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林原 靖男 千葉工業大学, 先進工学部, 教授 (20298293)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 移動ロボット / ナビゲーション / 動的計画法 / 障害物回避 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は移動ロボットの行動決定ソフトウェアの開発、実機実験のためのハードウェア、ソフトウェアパッケージの整備と調整を行った。 また、下記のように3件、国内学会で発表を行った。他、YouTubeにデモ動画等をアップロードした。 前者については、まず「ロボットの状態空間全域での最適な動作を実時間で計算する行動決定ソフトウェアパッケージ」を新たに開発し、日本ロボット学会学術講演会で発表した。さらにそのパッケージに対し、「センシングできる障害物の回避機能」を追加した。この追加について、査読のある国内学会であるロボティクス・シンポジアに予稿を提出し、採択され、発表を行った。 後者については、実験で用いるロボットの、屋外での試走を繰り返した。本年度は、研究室のある大学キャンパス内において安定して自律走行できるハードウェア、ソフトウェアの構成を固めることができた。また、公道での実験機会を得るために、「つくばチャレンジ2021」に参加した。つくばチャレンジ2021では、キャンパス内よりも人や路面の段差が多く、道路の横断もあるため、より情報を得られるセンサの取り付け位置、ソフトウェアの設定方法を探った。これにより、より安定した自律走行が可能となった。これらの知見をまとめ、計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会で発表を行った。 これらの成果については、上記のように個別に国内学会で公表したほか、本研究の最終的な目標である「自己位置推定の不確かさを考慮し、センシングできない障害物を避けることのできるアルゴリズム」を実装し、実験するための土台となるものとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で示したように、各成果を3件公表しており、研究は進んでいる。ただし、本研究の目的である「ロボット自身の位置が不確かな場合にでも、センシングできない障害物を回避できる行動決定アルゴリズム」については未実装であり、公表した成果は、その準備段階のものにとどまっている。また、初年度に公表した手法も実運用が難しく、実装を見送っている。 一方で、「ロボットの状態空間全域での最適な動作を実時間で計算するソフトウェアパッケージ」については、当初の予想を大きく越えた高速な実装に成功している。このソフトウェアパッケージには、計算量的にまだ多くの処理を追加可能であり、ここに、目的のアルゴリズムを組み込むことができる見込みである。また、実機実験の準備は整っており、年度内までに実験する目処は立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度には、まず現在までの進捗状況で記述したように、開発した行動決定ソフトウェアパッケージに、自己位置推定の不確かさによって行動を変化させるためのアルゴリズムを搭載する。具体的には、自己位置推定の曖昧さを変数化し、ロボットの位置と向きの変数とあわせて、行動決定のための変数とするアルゴリズム(Augmented MDP、AMDPと呼ばれるもの)を実装する。AMDPは計算量が大きいが、今年度までに実装されている部分の計算結果を流用することで、ロボットの周囲に限定して適用することが可能となる。これを利用することにより、実時間での利用を実現する。これが実現すると、シミュレーションのみでも大きな成果となるので、まずはシミュレーションのみの結果で査読付きの国際学会に予稿を投稿する。その後、実機でも機能することを実証し、投稿論文にまとめる。
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Causes of Carryover |
世界的な半導体不足のためにセンサの入手が難しく、次年度使用額が生じた。現在、実験に使うロボットに対して、主力のセンサであるレーザレンジファインダが1台少ない状態であるが、在庫を探して可能ならば速やかに購入する予定である。
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Research Products
(6 results)