2022 Fiscal Year Annual Research Report
Parallel wire suspension system using four wires for large space movement
Project/Area Number |
20K04383
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
大隅 久 中央大学, 理工学部, 教授 (00203779)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ワイヤ懸垂系 / 逆運動学 / 可動空間 / 振動制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
4本のワイヤによる懸垂ベースの,可動領域内の任意地点における逆運動学解の存在を理論的に確認し,振動抑制手法を確立した。開発したシステムは,ワイヤ長4自由度,懸垂ベース上に設置されたカウンタウェイトのx,y面内の2自由度,合計6自由度を有する。しかし,ベースを水平に保った状態で鉛直軸回りの回転方向を直接変化させることのできるアクチュエータを有しない。例えば,可動領域の天井が正方形の場合,懸垂ベースも正方形である場合には,達成可能な姿勢は,天井と懸垂ベースは同じ向きしかとることができず,旋回は全く行うことができない。また,長方形の場合にも,場所によって旋回できる角度範囲がそれぞれ異なったものとなることが,数値計算例から確認された。逆運動学計算を行う際には,目標位置,姿勢が達成可能であることが必要である。そこで,天井と同じ姿勢で釣り合う懸垂ベースに対して,旋回を実現することのできる張力が存在するかを調べることで,その地点において旋回ができるかどうかを調べる手法を開発した。その結果,釣合い位置において,4本のワイヤの内1本の張力が0となる時の姿勢が旋回可能限界となることを明らかとした。次に,釣り合い位置が可動領域の中央以外に存在する場合の振動制御を線形レギュレータで実現可能かどうかを確認する手法を開発した。本システムは動力学方程式が非常に複雑で,線形化により単振動モデルを導くことが困難であった。そこで,懸垂部のつり合い点からの変位によるポテンシャルエネルギの変化を調べた結果,振動をモデル化した時の剛性の非線形性が極めて強く,非対称となることが明らかとなった。そこで,これを考慮し,フィードバックゲインを設定し,線形のレギュレータで十分に振動が抑制できることを確認した。この2つの特性の解明と制御手法の構築により,ピックアンドプレース作業の実現を可能とする制御技術が確立された。
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