2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on Multicopter with transformable propeller arm
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20K04387
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
大原 賢一 名城大学, 理工学部, 教授 (50517886)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ロボティクス / マルチコプタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,インフラ点検への適用を考え,検査対象面となる橋脚への接近や,通常のマルチコプタによる目視点検では困難な,狭隘部の点検を1つの機体で実現することを目指したマルチコプタの開発を進めている.これは,一般的なマルチコプタとは異なり,機体を傾ける形での水平方向の移動ではなく,プロペラを動的に傾けることで,水平飛行を実現する機能を持ち,更には,狭隘部などの点検用にプロペラアームが伸縮する機構をもたせたものである. 2020年度には6つのプロペラが稼働する通常飛行モードから点検などを行う際の4つのプロペラが稼働した状態へと推移する際の過渡的な状態における制御則の検証を行うとともに,この制御則を適用する実機の設計を進めた.この成果を踏まえ,2021年度は可変機構を有するマルチコプタの実機の設計を進めた.具体的には,飛行可能なレベルでの軽量な可変機構の設計を中心に進め,回転1自由度,直動1自由度を有する可変機構の開発をおこなった.合わせて,自律飛行に必要となる制御系の搭載と機体重量とバランスを考えた実機実装を進めた. システムはROSで実装しており,可変機構用のノードの開発と動作検証,さらには飛行制御系の実装を進めた. 製作した機体を用いて,複数回の試行実験を通じて,飛行に向けた課題を明らかにするだけでなく,適宜仕様の見直しを行いながら,安定した飛行に向けた課題解決に取り組んできた.合わせて,制御方法の見直しとして,外乱が入った場合の飛行制御への影響の検証なども行ってきた. 今年度は実機実験に並行して,多様な環境での制御性能の検証を進めるために,シミュレータの構築も進め,本研究で開発しているマルチコプタのモデルの再現までは完了したため,今後は動力学シミュレーションを通じた制御性能の評価を行っていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナの影響もあり,実機実験が十分に遂行できなかった関係で,機体の実機実験が十分に行えてはいないが,機体自体の製作は完了するとともに,改良フェイズも数回は回せているため,概ね順調とは言える.依然として改良すべき点があるが,この点は2022年度の早い段階で解消していく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の課題を踏まえ,2022年度では,早い段階で機体の飛行制御の安定化を目指した機体の改良と制御方法の改善を行う. また,年度内には簡易的な環境で,点検を模した飛行から変形,変形から飛行といった検証実験を通じて,本研究の提案アプローチの有用性の検証を行う.
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Causes of Carryover |
国際会議参加費・旅費の執行を見込んでいたが,新型コロナの影響を受け,その会議がオンラインになったため, 旅費の執行ができなかったことが大きな要因となっている. また,実験などでの移動費用などについても感染症の状況をを鑑み控えたことも影響している. 令和4年度は,計画的な執行を通じて,研究目標の完遂と成果発表を広く行う予定である.
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Research Products
(2 results)