2021 Fiscal Year Research-status Report
Cooperation between anatomy trains and the skeletal system in the impedance control
Project/Area Number |
20K04388
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
横川 隆一 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (70220548)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 指先/手先剛性 / 筋腱駆動系 / アナトミートレイン / 指/腕の筋腱骨格モデル / インピーダンス制御 / 指腹つまみ / ハンドル操作 / インピーダンス制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
器用な手先制御における骨格系および筋・腱・筋膜経路の力学的な役割を解明するために、作業対象として、(1)人差し指と親指の指先でダイヤルインターフェースを回転させる操作と(2)自動車のハンドルを両腕で回転させる操作を採り上げた。(1)において、指先の姿勢と指先の力を、そして(2)において、左右の腕の姿勢と手先の力をどのように調整しているのかを計測結果を基に考察した。計測では、[1] 骨格系の姿勢(3次元運動計測)、[2] ダイヤルあるいはハンドルを回転するための指先あるいは手先の力(作用力の計測)、および[3]操作に関係した筋の働き(筋活動計測)を求めた。構築された計測システムによる実験を大学研究室の学生ボランティアを被験者として実施し、本研究課題における計測システムの有効性を確認した。被験者ごとの計測結果を統計解析することで、回転操作において、(1)では示指および母指、そして(2)では両腕の基本関係(モデル)を求めた。このモデルから回転操作における、示指と拇指、あるいは左右腕の力学的な特性を調べた。回転方向において、それぞれの指、あるいはそれぞれの腕に役割分担がある可能性を示した。特に、(1)では、示指が主な操作を行い、拇指は示指の操作に対して受動的に支える働きがあることが判った。これは、過去の研究で示されている示指と拇指の位置・姿勢の特徴(運動学的)とも一致する。指先操作において、力学的(準静力学的)に示指と拇指に異なった役割を果たしている可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の拡大のため、計測機器の購入に手間取ったこと、被験者を伴う計測が遅れたことがあげられる。なお、本年度の計測の結果、計測環境を変更する必要があった(8.今後の研究の推進方策で記載)ことも原因の一つである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画調書1.(2)(計測1)では、作業環境の硬さ(剛性)をロボットアーム(現有)のインピーダンス制御により可変する計画であった。しかし、回転操作中の指先あるいは手先の力をどのように調整しているのかを正確に調べるためには、ダイヤルあるいはハンドル回転時の硬さを固定する必要が生じたので、計測方法を一部変更した。次年度については、変更された環境での計測を引き続き行うとともに、昨年度(2020年度)の結果との比較検討から、手の中にある筋と手の関節を通して前腕にある筋腱とのアナトミートレイン(筋・腱・筋膜経路)のはたらきを考察する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由: 新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、前年に引き続き、計測で必要な器具の入手が遅れたこと、研究情報収集のための出張、および研究成果発表のための出張(オンライン講演となって実施)が取りやめとなったことがその理由である。 使用計画: 令和3年度の遅れを取り戻すため、令和4年度では、計測・解析を当初計画よりも効率よく進める。さらに、コロナ感染症の防止対策を取った上で被験者に対する計測を実施するため、被験者に直接触れる消耗品(マーカ、電極)の追加費用に充てる。研究成果発表のための費用に充てる計画である。
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Research Products
(2 results)