2020 Fiscal Year Research-status Report
高速駆動するゲルポンプを内蔵したマイクロ流路分析システムの創製
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20K04391
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
原 雄介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究グループ長 (90452135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南川 博之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (00358110)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ゲル / ソフトアクチュエータ / マイクロ流路 / 微小ポンプ / BZ反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ゲルアクチュエータをマイクロ流路用のポンプの動力源として応用し、実用レベルで溶液を輸送可能なポンプが一体化したマイクロ流路分析システムへと発展させることを目標としている。従来型のマイクロ流路は、使用の度にポンプとの接続作業を行う必要があるため、コンタミネーションの原因となっていた。また、ポンプとマイクロ流路が別々となっているため、システム全体ではその体積と重量が大きいことが問題であった。このような問題を解決することを目指して、本研究では医療やバイオ分析に応用可能な、ポンプとマイクロ流路が一体化したシステムの構築を、微小化が容易で安価なゲルアクチュエータをポンプの動力源として採用することで実現することを計画している。また本研究では、これまで検証が不十分であった含水するゲルアクチュエータから真に有効な仕事を取り出すことが可能か、ポンプへ応用することで検証することも目標の1つとしている。このような目標を達成するため、本研究では開発したゲルアクチュエータの駆動速度や駆動様式、マイクロ流路の形状等を最適化する必要がある。本年度はマイクロ流路やゲルアクチュエータの形状等を最適化するため、アクチュエータ形状や駆動周波数のコントロールが容易な電場応答型のゲルアクチュエータを用いた検討を中心に行った。次年度以降は、得られた知見を基に、マイクロ流路に適した微小ポンプを開発していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ゲルポンプ一体化型のマイクロ流路分析システムの構築に向けて、マイクロ流路やアクチュエータの形状等の最適化検討を行った。次年度以降は、得られた知見を活用して、微小ポンプに応用可能なゲルアクチュエータの開発を行っていく予定である。また、ゲルアクチュエータの駆動周波数や力学特性を明らかにするとともに、ゲルアクチュエータから真に有効な仕事を取り出すことが可能か検証を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降の研究では、ゲルアクチュエータをマイクロ流路用の微小ポンプの動力源として活用するため、ゲルアクチュエータの駆動周波数や力学特性について詳細な検討を行っていく予定である。また、新たなゲルの化学組成を検討するとともに、構造解析や力学物性などの計測を行う予定である。これらの検討を通して、マイクロ流路に適したゲルの設計指針を明らかにするとともに、ゲルアクチュエータから真に有効な仕事を取り出すことが可能か検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本研究期間においては、ゲルアクチュエータを合成するための試薬および合成に必要な器具等の購入を行った。次年度以降は、初年度に得られた知見を活用して、ゲルアクチュエータの駆動周波数特性や力学特性等について詳細な検討を行っていく予定である。また、新たなゲルの化学組成について検討を行う予定である。今後は、これらの検討に必要な試薬や機器等の購入を行っていく予定である。
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