2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K04393
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
岩谷 靖 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (10400300)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ロボット / 制御しやすさ / 制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,具体的なロボットの制御しやすさの指標に関するロボット設計問題の課題として,リムレスホイールの設計問題について取り組んだ.リムレスホイールは,リム(車輪の外周輪)のない車輪機構で,スポーク先端が直接地面と設置することで駆動力を地面に伝える.設計問題を簡潔にするために,一つのリムレスホイールと一つの質点(胴体)から構成されるロボットの設計問題を考察した.ホイールと質点はアクチュエータ付きの回転関節で接続されており,アクチュエータに駆動トルクを印加することでロボットは動く. まず比較対象として,通常のリム有りの車輪と質点(胴体)から構成されるロボットの定常走行の解析を行った.このロボットに対しては,定常走行時の移動速度と移動効率を理論的に導出できる.移動速度と移動効率のどちらも,各種設計パラメータに対して単調に増加あるいは減少することを確認した.そのため通常の車輪においては,これらの指標に対して最適なパラメータ値は存在しない. 一方でリムレスホイールにおいては,定常走行時の移動速度と移動効率を理論的には導出できていない.そこで,各種パラメータに対する定常走行時の移動速度と移動効率を数値シミュレーションにより導出した.その結果,いくつかのパラメータは通常の車輪と同様に移動速度と移動効率が単調に変化した.一方,通常の車輪とは異なり,移動速度または移動効率が凸上に変化し,最適値が存在するパラメータも見つかった.これらの知見は,今後のロボットの制御しやすさの指標の同定に向けて,有用な知見と考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は制御しやすさの指標について,ロボットの制御問題を考え,理論面から考察する予定であった.この方面での成果は少なかったが,ロボットの設計問題を考察し,数値実験により大きな成果を得た.一般的な理論考察が順調に進展しなかった際に具体的なロボットの設計問題を考察対象とすることは,研究計画当初から研究計画の一つとして予定していたものである.
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定通り,ロボットの制御問題における制御しやすさの指標について考察し,その指標を明らかにするとともに,設計問題についてもさらなる議論を行う.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大対策のため,参加を予定していた学会がすべてオンライン開催となり,旅費に関する支出が無くなったため,次年度使用額が生じた.これらは,研究の効率化を計るため,実験装置の拡充のための物品費等にあてる予定である.
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Research Products
(3 results)