2022 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚変形・皮膚振動の同時計測に基づく時空間的に高解像度な触覚ディスプレイの構築
Project/Area Number |
20K04398
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
永野 光 神戸大学, 工学研究科, 助教 (70758127)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ハプティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では,人の触覚知覚に対する皮膚感覚情報と深部感覚情報の複合的な寄与に着目し,触覚に寄与し得る複数の情報の同時計測の実施,および,その知見を利用した複数情報の組み合わせによる触覚再現手法の構築を行った. 本課題では,まず初めに,指先で素材をなぞる際に発生する皮膚変形と皮膚振動の情報に着目した.皮膚変形情報は高い空間解像度を有する一方で低い時間解像度であり,皮膚振動情報は低い空間解像度と高い時間解像度を特性として有しており,なぞり時の素材の知覚において相補的に利用され得る情報と考え,計測実験を実施した.計測実験において,様々な素材をなぞる際に指先皮膚で発生する高周波振動,なぞり時の指先速度,素材と指先の間で発生する接線力および法線力を同時計測可能な計測システムを構築した.そして,計測された値から抽出した特徴量間の関係をモデル化した. また,皮膚感覚情報としての振動触覚と,深部感覚情報としての力を複合的に伝送可能なシステムを開発するとともに,それを用いた評価実験を実施した.実験の結果,粗さ感を効率的に伝送するためにはなぞり動作の際に発生する振動触覚情報を伝送することが重要であることが示された.また,硬さ感の伝送においては,押し込み動作に伴う力情報の伝送が重要であることも示された.このように,多様な触感の伝送には,適切な動作と情報の組み合わせが重要であることが示された. さらに,多様な素材のなぞり感を提示可能な把持型の触覚ディスプレイも構築した.評価実験を通じて,単一の触覚ディスプレイでは困難な数の素材のなぞり感を高い臨場感で再現可能であることを示した.
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Research Products
(6 results)