2021 Fiscal Year Research-status Report
免荷型空気式パワーアシスト装置の開発と身体負担メカニズムの解明
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20K04400
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高岩 昌弘 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (60243490)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 免荷型 / パワーアシスト / 空気圧駆動 / 脇下支援 / 歩行支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は本研究課題で提案している免荷型パワーアシスト装置と、既に市販されている装着型パワーアシスト装置を対象とした、持ち上げ支援における検証実験を行ない、本装置の有効性を確認した。また、筋骨格シミュレータを用いて、持ち上げ動作時の関節角度や関節トルク、筋活動を定量的に評価し、本装置の片脇支援に対する影響を調べ、運用方法を提案した。具体的には、片脇支援の場合、本アシスト装置に体重を預けるような姿勢をとると大きな支援効果が得られることが示された。これは、使用時の慣れによっても違ってくるため、使用者に対するガイダンスとして提案する必要があることが分かった。 また、筋骨格シミュレーションより両脇支援を行うと内側広筋筋負担を大幅に低減できることが示され、実機実験からも同様の効果を確認することができた。 さらに、本アシスト装置の免荷機能が脚から見た時の上体支持時の負担軽減につながることに着目し、本アシスト装置を片麻痺患者の歩行リハビリテーション支援デバイスとして応用した。まず筋骨格シミュレータを用いて、アシスト装置の支援力と筋活動との関係について調べ、患者の状態に応じてアシスト装置の支援力を決定する指標を提案した。歩行リハビリテーションにおいては、立脚期には上体の支持による患側脚部の負担軽減が、遊脚時には装置の縮退に伴う膝屈曲支援による足の運脚補助となることを、実験を通して確認した。歩行アシストに関する研究成果はロボティクスメカトロニクス関連の欧文誌に投稿し、掲載された。また、提案する免荷型アシスト装置に対する基本特許を出願した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載している今年度の実施内容は、筋骨格シミュレーションと実機実験の併用による支援装置の有用性の検証期間と位置付けている。これまでは筋電位センサーを対象筋の皮膚表面に貼付することで筋負担の軽減効果を実験的に検証していたが、測定対象の筋が限定されることや、深層部の筋活動については検証が物理的に不可能であった。筋骨格シミュレータはこのような問題を解決する有用なツールになり得ることを確認することができた。また、本シミュレータによれば最適な支援力を与える際の指標をあらかじめ見当をつけることができるなど、運用上も時間短縮につながり有用であることが示された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方策としては、これまで提案してきた免荷型パワーアシスト装置の実用化を強く意識した研究内容を実施予定である。具体的には、これまでバネの復元力のみを利用したパッシブ型アシスト装置を提案してきたが、しゃがみ込む際はバネの反力に拮抗した動作となるので使用者としては身体的負担となる。そこで、小型軽量な空気圧アクチュエータを導入し、しゃがみ込む際にバネの復元力と拮抗させる仕組みにし、立ち上がる際にはアクチュエータ反力を開放してバネの反力を利用するセミアクティブ型を提案する。また、この際のアクチュエータには、初年度に開発したワイヤー式空気圧シリンダーを採用する予定である。
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Research Products
(4 results)