2021 Fiscal Year Research-status Report
多結晶と磁区構造を考慮した電磁鋼板の異常渦電流損のモデリング手法の開発
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20K04419
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
高 炎輝 大分大学, 理工学部, 准教授 (40586286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 和弘 佐賀大学, 理工学部, 教授 (30263627)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 異常渦電流損 / 電磁鋼板 / 有限要素法 / 結晶方位 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,電磁鋼板を用いたモータや変圧器、リアクトルなどの電気機器の小型・低損失化設計を可能にするため,「電磁鋼板の結晶粒方位のばらつきを考慮した磁界解析法」,「鋼板の磁気特性の非線形性を考慮した磁区モデリング方法」を開発し,高精度な鉄損計算法を確立するとともに測定値と比較することにより,本提案法の妥当性と有用性を示すことである. 2020年度で,結晶粒方位のばらつきによる磁束の不均一性を数値計算で考慮するためで開発した「結晶粒方位による磁気異方性を考慮した磁界解析方法」を開発したが,高磁束密度領域での計算ができなったので,2021年度では,「結晶粒方位による磁気異方性を考慮した磁界解析方法」を高磁束密度領域まで適用できるように改良するとともに定量的な検証を行った。具体的に,本研究で提案した異なる結晶方位を有する結晶粒毎に方向性電磁鋼板の任意方向の非線形磁気特性を用いる提案モデルを磁束密度が高い領域まで適用し,初期磁化曲線と異常渦電流損を算出し,実際の無方向性電磁鋼板のカタログ値と比較し,提案モデルの妥当性を定量的に検討した.その結果,磁束密度が小さい領域は,提案モデルで計算した初期磁化曲線と異常渦電流損はカタログ値とよく一致するが,磁束密度が大きい領域では,提案モデルの初期磁化曲線はカタログ値より小さくなり,また,提案モデルの渦電流損は古典渦電流損と同等となり,異常渦電流損が説明できなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に予定した結晶粒方位のばらつきを考慮した磁界解析法を高磁束密度領域まで計算できるように改良したので,順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
【2022年度 】 1. 鋼板の磁気特性の非線形性を考慮した磁区モデリング方法を開発したが,磁壁の移動範囲を一周期の平均値で考慮したので,実際と同様に時間的に移動範囲を変化するように改良を行う. 2. 結晶粒方位のばらつきを考慮した磁界解析法の改良 結晶粒方位のばらつきを考慮した磁界解析法を,磁束密度が大きい領域でも初期磁化曲線と異常渦電流損を再現できるように改良を行う.
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Causes of Carryover |
コロナのため,国内外の学術会議に参加するための旅費や大学院生の実験補助で使う予定の人件費・謝金合わせて50万円を使用しなかった.これによる差額は,研究の進展を促すため,2022年度の学術会議の旅費や実験補助の人件費・謝金に当てる予定である.
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Research Products
(3 results)