2021 Fiscal Year Research-status Report
Enhancement of Parallel-in-space-time Electromagnetic Field Analysis for Practical Electric Machine Design
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20K04429
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| Research Institution | Doshisha University |
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Principal Investigator |
高橋 康人 同志社大学, 理工学部, 教授 (90434290)
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2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 電気機器 / 並列計算 / 有限要素法 / ヒステリシス / 鉄損 / 磁気特性 / 高効率化 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は，前年度までに有効性を確認した領域分割型並列計算法と並列TP-EEC法を用いた時間分割型並列計算法に基づく空間分割・時間分割併用型並列有限要素法（PinSTFEM）について，10,000プロセス以上を使用した大規模並列計算時の速度向上率について主に検討した．まず，並列TP-EEC法において分割時刻区間を重複させるOverlapping並列TP-EEC法を新たに開発し，定常状態への収束性をさらに改善可能であることを明らかにした．本提案手法をPinSTFEMに適用し，インバータ駆動埋込磁石同期電動機の永久磁石内渦電流損解析を例題として並列台数効果を検証した．その結果，領域分割型並列有限要素法の単独利用では速度改善効果が期待できないようなプロセス数においてもさらなる高速化が達成可能であることを定量的に明らかにした．PinSTFEMでは粒度（並列計算対象となるループ構造）が異なる2種類の並列計算法を併用しているため，それぞれの特長を相乗的に活かすことで高並列計算環境における優れた並列台数効果が達成可能となる．本成果は当該分野最大の国際会議COMPUMAG2021にて口頭発表しており，現在，論文誌投稿に向けて準備を進めている段階である．
また，回転機の定常特性解析に特化した時間分割型並列計算法に関する基礎的検討として前年度に開発したdq-TP-EEC法については，電気学会の英文論文誌Dに投稿し，掲載が決定している．
さらに，ヒステリシスを考慮したPinSTFEMについては実装が完了し，昨年度までに取得した磁気特性データに基づいた実測結果との比較によりその妥当性を検証するとともに，実規模電気機器モデルによる並列性能評価まで行っている．今後，国内外の関連学会にて成果発表を実施し，得られた成果をまとめて最終的には論文誌に投稿する予定である．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の主要テーマは，①新たな時間分割型並列計算法の創出による速度向上率の改善，②磁気ヒステリシスモデル化法の導入，③プロセス数増加時に劣化する空間分割型並列有限要素法の並列性能改善，の３点である．前年度は主に①について検討し，2種類のPinSTFEMの比較結果より領域分割型並列計算法と並列TP-EEC法を組み合わせた定式化が並列性能の観点で優れていることを明らかにした．また，新たな時間並列計算法開発に向けた基礎検討として，回転機解析に特化したdq-TP-EEC法を提案した．これらの研究成果を受けて，本年度は①に関してさらなる収束性改善を企図し，Overlapping並列TP-EEC法を新たに開発した．また，インバータ駆動IPMモータの損失解析を例題として，10,000プロセス以上の高並列計算環境時におけるPinSTFEMの優れた並列台数効果を達成した．さらに，dq-TP-EEC法についてはこれまでの結果をまとめて論文誌に投稿し，掲載決定にまで至っている．
②については，前年度までに取得した磁気特性データを活用してヒステリシスを考慮したPinSTFEMを実装し，実規模モデルにおける並列性能評価までは完了している．次年度以降に，対外発表および論文誌への投稿を行う予定である．
したがって，新型コロナウイルス感染症の影響および学内の突発的な事象により自由に研究を進めることが困難な１年ではあったが，本研究課題の目標として掲げた主要３テーマのうち２テーマまでが完了もしくは成果報告を残すのみとなっており，おおむね順調に進んでいると考えている．
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| Strategy for Future Research Activity |
最終年度には，本研究課題の主要３テーマの１つである「プロセス数増加時に劣化する空間分割型並列有限要素法の並列性能改善」について中心的に取り組み，またこれまでに得られた研究成果の対外発表を行う．
領域分割型並列有限要素法において，一般的に広く採用されているlocalized前処理では，プロセス数の増加に起因した連立一次方程式の求解時に用いる線形反復法の収束性劣化が避けられない．一方，高並列計算時における収束性劣化を改善するために，additive Schwarz前処理またはマルチカラーオーダリングを用いたスレッド並列処理との併用などが提案されている．しかしながら，電磁界数値解析分野の実規模モデルにおける有用性についてこれらの手法を比較検討した報告例はなく，不明瞭な点が残されている．そこで，領域分割型有限要素法を用いた電気機器の実規模解析を例題として並列性能評価を実施し，各種手法の得失比較を試みる．得られた成果をPinSTFEMに適用し，さらなる並列性能向上を目指す．研究成果は国内外での関連学会にて発表し，第一線で活躍する研究者との議論も踏まえてPinSTFEMのさらなる有用性向上を図る．
また，研究期間後半にて重点的に実施する予定であった研究成果発表についても，積極的に実施してく予定である．まず，Overlapping並列TP-EEC法を用いたPinSTFEMについては，早急に当該分野の代表的論文誌（IEEE Transactions on MagneticsまたはCOMPEL）に投稿する．さらに，実規模モデルにおける並列性能評価まで完了しているヒステリシスを考慮したPinSTFEMについて，国内外での関連分野での口頭発表を実施し，議論の内容を踏まえて論文としてまとめ，投稿する予定である．
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Research Products
(5 results)
