2021 Fiscal Year Research-status Report
スイッチング電源の抵抗負荷におけるイミュニティノイズ評価・対策法の開発
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20K04431
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyama College |
Principal Investigator |
西島 健一 富山高等専門学校, その他部局等, 講師 (70804532)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スイッチング電源 / 振幅変調 / イミュニティ / バーストノイズ / 実負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,スイッチング電源のEMC(電磁両立性,「EMI:電源ノイズ」と「イミュニティ:負荷側のノイズ耐性」の両立化)に対して,電子機器に組み込むスイッチング電源のイミュニティ評価・対策法を検討することである。 その具体的な評価手法は,AC入力に印加したノイズが負荷側へ透過するノイズを定量的に評価し,誤動作に至るノイズレベルの数値的指標を見える化したい考えである。そして,この評価方法を確立し,イミュニティが及ぼす負荷側への影響を検討する。従来のイミュニティ評価では,抵抗負荷であったため,ノイズが負荷に透過しても出力電圧が正常であればNG判定とならない。しかし,実負荷(PCなど電子機器)を接続すると信号系への影響で誤動作が発生しNG判定され,抵抗負荷の評価と結果が一致しないことも起こり得る。 本研究では,スイッチング電源のイミュニティ評価・対策する方式を検討して,電源と電子機器システムのEMC評価・対策技術の向上を目指す。 上記の目的に関して、事前実験検討を行った結果、以下を確認した。 スイッチング電源ノイズとバーストノイズが及ぼす負荷側への影響は,振幅変調作用として現れることがわかった。またスイッチング電源の動作周波数とバーストノイズ周波数を近づけることで振幅変調作用によって発生する側帯波のノイズが低減され,EMCフィルタ以外の方法でも,実負荷におけるイミュニティ性能が改善するメカニズムを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の科研費予算で優先順位の高い測定器を購入して行った実験検討で、本研究で詳細を調査すべき現象が見えたと判断されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
スイッチング電源ノイズとバーストノイズが及ぼす負荷側への影響は,振幅変調作用として現れることがわかった。またスイッチング電源の動作周波数とバーストノイズ周波数を近づけることで振幅変調作用によって発生する側帯波のノイズが低減され,EMCフィルタ以外の方法でも,実負荷におけるイミュニティ性能が改善するメカニズムを明らかにした。今後,この低減効果が電源システム構成や実負荷形態の違い(有線および無線)に対するイミュニティ性能改善に結びつくか評価方法を含め,初年度に科研費予算で購入したバースト試験セットおよび2年目予算で購入したEMCテストセットを活用し、検討を進めたい考えである。
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Causes of Carryover |
当初の購入しようとしていたバーストノイス試験セットの価格が若干安く購入できたことでマージンが生じた。2022年度には、別の測定器(電流プローブセット)を購入計画しており、科研費予算3年計画分は執行できる予定である。
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