2021 Fiscal Year Research-status Report
Auto-Tuning Technique for Motor Drives by Synchronous Minor Sampling Method
Project/Area Number |
20K04437
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
岩路 善尚 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (90604645)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 永久磁石同期電動機 / 定数同定 / 同期マイナーサンプリング |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)R2年度にシミュレーションで検討したモータ定数の同定アルゴリズムを、マイコンに実装した。一般に、モータの制御処理周期は、インバータのキャリア周波数の2倍に設定する。提案している同期マイナーサンプリング処理では、その周波数よりも高い周波数のサンプリング処理を前処理として導入し、通常のモータ制御よりも優先して定数同定を実行する。これらの実装のため、ルネサス製のモータ制御用マイコンRX72Tを使用し、タイマー割り込みを2重に設定して、本アルゴリズムを構築した。実験では、キャリア周波数を5kHz、マイナーサンプリング処理を6.25μsとした。 (2)試験ソフトでは、永久磁石同期電動機のセンサレスベクトル制御をベースとして、通常の起動シーケンスを実装した。その通常の起動シーケンスの中で、同期マイナーサンプリングを用いて、同時並行してモータ定数の同定を実行する。モータの起動動作を観る限り、通常の起動パターンとなんら変わりはないが、定数が全く未知の状態からの起動が可能になる。起動シーケンスの中で、巻線抵抗R1、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLq、発電定数Keを順番に同定し、起動することに成功した。 (3)コロナ禍の影響により、200V系の永久磁石同期電動機の入手が困難となったため、低圧24V系のブラシレスDCモータを用いて実験を行った。極数、回転数の異なる3種類のモータを用意し、それぞれに対して定数同定が完了し、スムーズな起動と、センサレスベクトル制御が実現できた。また、同定した定数による制御において、負荷外乱に対するロバスト性も確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りに、実験による同定アルゴリズムの検証が実現できた。マイコンの機能を最大限に活かし、高速な同期マイナーサンプリング処理を実装できた。 また、実験検証も予定通り実行し、仕様の異なる3種類の永久磁石同期モータを用いて動作の確認ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の課題として、200V系の産業用モータでの実験ができていないため、これらの確認を令和4年度に実施する。200V系の産業用モータの入手が困難な状態であるが、現有品に外付けのインダクタンスを付けるなどして、定数の異なるモータを模擬することを考えている。また、極数が不明であるモータも存在するので、そのような未知モータの駆動も検討したい。
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