2021 Fiscal Year Research-status Report
再生可能エネルギー電源による電力系統安定化制御システムの構築
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20K04448
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
矢神 雅規 北海道科学大学, 工学部, 教授 (30364243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一戸 昌則 北海道科学大学, 工学部, 准教授 (70806968)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 系統安定度 / 可変速風力発電 / 太陽光発電 |
Outline of Annual Research Achievements |
再生可能エネルギー電源のみで電力系統の安定度を向上させる制御システムの構築を目的に,昨年度に続き風力発電と太陽光発電の有効・無効電力制御について検討した。以下に具体的な研究実績を記す。 1. 前年度に構築した制御モデルは,可変速風力発電の慣性エネルギーを利用した有効・無効電力制御に太陽光発電の無効電力制御を組み合わせたもので,系統安定度の改善効果を高めると同時に慣性エネルギー放出に伴う回転速度の著しい低下を抑制するために無効電力の入出力量を優先して制御している。そのため,本制御モデルの効果は系統電圧の影響を受けやすく,負荷の電圧特性によっては安定化の効果があまり得られない状況が想定された。そこで,インピーダンス・定電流・定電力負荷およびそれらを組み合わせた負荷モデルを有する電力系統モデルにおいて系統事故を想定したシミュレーション解析を行い,各種想定負荷に対する提案制御モデルの安定化効果を検証した。 2. 可変速風力発電をdeloaded運転(定常状態時に出力を抑制して余力を確保する運転)する制御モデルを構築するために,可変速風力発電に流入する風速をパラメータとするシミュレーション解析を行った。また,太陽光発電に関しても運転条件によって安定化効果が変わることから,日射量を変化させて同様の解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献調査に基づき解析のための電力系統モデルおよび制御モデルを構築し,様々な運用条件下で提案制御モデルの有効性を検証しており,着実に進展していると判断する。ただし,deloaded運転下での可変速風力発電による安定化効果を検証できていないこと,ウインドファームを等価的な一つの風力発電機としてモデル化しており,ウインドファームを構成する風力発電機群の出力分担について検討できていないことから,これらについては2022年度に鋭意取り組む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 低風速下でも安定化装置として利用できるようにdeloaded運転する可変速風力発電モデルを構築する。 2. ウインドファーム内の可変速風力発電の出力分担を決定するためのアルゴリズムを構築する。基本的には,各風力発電の回転速度(慣性エネルギーの保有量)に基づく出力分担制御とする。
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Causes of Carryover |
主に国内出張キャンセルに伴う旅費の未使用分。翌年度分の助成金と合わせ,学会発表に伴う旅費,講演登録料,論文投稿料,研究資料の購入を計画している。
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