2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on automatic tuning method for PMSM sensorless control using deep learning without adjustment process
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20K04451
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
前川 佐理 成蹊大学, 理工学部, 准教授 (90849225)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 永久磁石同期モータ / センサレス制御 / パラメータ同定 / 自動調整 / オートチューニング / ニューラルネットワーク / 学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、センサレス制御の数学モデルをベースとし、完全な調整レスを実現する自動調整法を開発することである。センサレス制御に必要な各制御パラメータとそれを検出・設計するための設定パラメータの関係を明確にした上で、特に既存の大量データと深層学習を用いた設定パラメータを用いない巻線抵抗・インダクタンス・磁石磁束・慣性モーメント等の機器定数の自動測定法を検討し,電流・速度・センサレス制御等の複数の制御間の関係を考慮した制御系の安定限界を解明する。さらに、これらの知見を踏まえセンサレス制御系の制御パラメータ自動調整法を実現する。 令和2年度は機器定数を測定するために印加するテスト電圧・電流を自動で決定できるアルゴリズムを構築する。「自動化のポイント」は、様々な定格を持つモータに対し、過電流や過回転を起こさず機器定数を高精度に測定可能なプロセスを構築することである。 同定対象は小容量から大容量まで多岐に渡る可能性があるため、正規化が必要となるが、電圧・電流・トルク・回転数等の定格が既知の場合は容易である一方、未知のモータでは難しい。 今年度の研究ではシミュレーション上で様々な出力・トルク・回転数定格のモータを200種類作成しこれらに対して最適と考えられる制御パラメータの組み合わせを準備した。そしてこれら200種類のモータ定格を表す入力データ,それらの最適な制御パラメータを教師データとしてニューラルネットワークの学習を行った。この結果,未知のモータ定格を表す入力データを入力するとそれに適した制御パラメータを出力可能なネットワークの構築を実現した。更に得られた制御パラメータの組み合わせを実際のモータ駆動を再現できるシミュレータに入力し,位置センサレス制御で駆動可能なことを確認した。 以上の成果についてまとめ、国際会議講演 1件の業績を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では初年度は実機の複数のモータを用いそのモータ定格を推定することができるアルゴリズムの構築を検討し,2年度目にモータ定格から最適な制御パラメータを推定可能なニューラルネットワークの構築を予定していた。しかし令和2年度は新型コロナウィルス対応により実機実験が不可能となったためまずは2年度目以降に行う内容について先行してシミュレーションによる検討を行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は,モータの定格値の推定のための検討を行う。対象のモータが接続されたインバータの直流電圧、変調率に応じた電流値等から、その後の同定に必要な設定値等を大量のモータの調整データに基づき構築されたディープニューラルネットワークにより導出する。以上の検討を実機モータを用いて確認していく。
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