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2021 Fiscal Year Research-status Report

大規模MIMOシステムにおけるルースビームフォーミングの実現

Research Project

Project/Area Number 20K04460
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

西村 寿彦  北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (70301934)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大鐘 武雄  北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (10271636)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsルースビームフォーミング / マルチユーザ大規模MIMOシステム / アンテナ選択 / 評価関数 / 量子アニーリング
Outline of Annual Research Achievements

マルチユーザ大規模MIMOシステムでは, 基地局に100 素子以上の送信アンテナ素子を配置することに伴い, ウェイト形成の計算量が著しく増大する. このため,送信に使用するアンテナを選択するのみでウェイトを生成するルースビームフォーミングという手法が提案されている. 今年度は, 主に以下の2点について検討を行った.
一つ目は,ルースビームフォーミングの送信アンテナ選択について,前年度は機械学習や遺伝的アルゴリズムを用いて準最適解を得ていたが,新たに量子アニーリングを導入した.量子アニーリングは,組み合わせ最適化問題に特化したクラウドソルバーとして商用利用されるようになり,近年その用途について多くの検討が始まってきた.ルースビームフォーミングは送信アンテナを使うか使わないかの2値のベクトルを通信容量が最大となるように最適化することで実現できることから,この量子アニーリングが有用なソルバーとなりえると考えた.検討の結果,前年度に用いた機械学習や遺伝的アルゴリズムに比べて,極めて短時間で同程度の性能を得られる可能性を確認した.
二つ目は,マルチユーザ大規模MIMOシステムについて,ルースビームフォーミングと分散アンテナシステムの類似性から,分散大規模MIMOシステムにおけるアンテナ選択及びユーザ選択の検討を行った.屋内環境における大規模分散アンテナシステムを想定し,ユーザ選択及びアンテナ選択の効果を評価した.検討したモデル内では,アンテナ選択については有意な改善は見られなかったものの,ユーザ選択の効果は示された.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

新たな組み合わせ最適化のためのソルバーとして量子アニーリングを導入し,ルースビームフォーミングのための送信ウエイト,すなわち,送信アンテナ選択を行うことが,どの程度の効果を示すかについて,検討を行ってきた.量子アニーリングは,QUBO式と呼ばれる評価関数の定義に自由度があり,これが直接性能に影響すると考えられる.本検討では,最初の段階として,所望受信電力を大きくし,与干渉電力を小さくするような,アンテナを選択するようにQUBO式を構築し,性能評価を行った.これについては,他の指標でQUBO式を構築したものと比較する必要があったが,時間の都合上年度内にすべてを検討することは間に合わなかった.
一方,多数の送信アンテナから有効なものを選択して使用するという意味で,分散アンテナシステムにも応用できると考えられるため,分散大規模MIMOシステムにおけるアンテナ選択及びユーザ選択についても検討を行った.今後は,この検討にも量子アニーリングを適用し,最適な選択を効率的に行う方法を開発する予定である.
成果発表がコロナ禍で思うようにスケジュールできず,年度内の発表に間に合わなかったが,今後の成果を含めて残りの期間で公表していく予定である.

Strategy for Future Research Activity

まずは,量子アニーリングのQUBO式の構築について,更に検討を進めたい.また,送信アンテナ数やユーザ数,および,環境モデルの違いによる特性の違いについても,系統的に調査し,最終目標である,最適化手法を用いずに簡易にアンテナ選択を行う方法を見出したい.
また,前述の通り,ルースビームフォーミングの考え方は,分散大規模MIMOシステムへ応用できると期待しており,量子アニーリングの導入を含め,その効果を評価する.

Causes of Carryover

コロナ禍により,予定していた学会等がすべてキャンセル,あるいはリモート開催となったため,旅費の使用予定の多くがキャンセルとなったため.この額は,次年度での成果発表と量子アニーリングのクラウドソルバー使用料にあてる予定である.

  • Research Products

    (3 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Accuracy Improvement in DOA Estimation with Deep Learning2021

    • Author(s)
      KASE Yuya、NISHIMURA Toshihiko、OHGANE Takeo、OGAWA Yasutaka、SATO Takanori、KISHIYAMA Yoshihisa
    • Journal Title

      IEICE Transactions on Communications

      Volume: - Pages: -

    • DOI

      10.1587/transcom.2021EBT0001

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 分散大規模MIMOシステムにおけるアンテナ選択及びUE選択の検討2021

    • Author(s)
      西村健斗, 西村寿彦, 佐藤孝憲, 大鐘武雄, 萩原淳一郎, 小川恭孝
    • Organizer
      2021年電子情報通信学会ソサイエティ大会
  • [Presentation] 大規模MU-MIMOシステムにおける量子アニーリングを用いた簡易ビーム形成法2021

    • Author(s)
      大塚達樹, 西村寿彦, 大鐘武雄, 佐藤孝憲, 萩原淳一郎, 小川恭孝
    • Organizer
      2022年電子情報通信学会総合大会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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