2020 Fiscal Year Research-status Report
A Study on a measurement of the frequency response of an analog wide-band image rejection filter
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20K04461
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
庄野 和宏 筑波大学, システム情報系, 准教授 (50333993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 浩二 長崎大学, 教育学部, 教授 (30311096)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ポリフェーズフィルタ / ミニマルファブ |
Outline of Annual Research Achievements |
集積回路の試作として、当初VDEC(VLSI Design and Education Center)を利用する予定であったが、後述のように研究の進捗に遅れが発生したため、Minimal Fab ((一財)ミニマルファブ推進機構による少量多品種向けの製造プロセス)を利用することに方針変更した。TAT(Turn Around Time:試作品が完成するまでの期間)が一週間程度と非常に短いことを利用し、研究の遅れを取り戻す。ここで利用できるトランジスタはpチャネル型に限定されるため、消費電力はCMOSプロセスと比較して大きくなるが、本研究は測定法の確立であるため問題とならない。設計実績をもつ長崎大学武藤浩二教授ならびに、北見工業大学の谷本洋名誉教授、アナジックス(株)の森山誠二郎様の協力のもと、研究室内の設計CAD立ち上げを行った。回路設計にLTspice、レイアウトにKLayoutを使用する。これらは無料で使用でき、Windows(もしくはMacintosh)パソコン上で動作するため、システム立ち上げの時間を大幅に削減できた。これらの組み合わせで、DRC(Design Rule Check:集積回路上の設計ルールチェックを行うこと)だけでなくLVS(Layout versus Schematic:集積回路上にレイアウトされたパターンから電子回路の結線情報を逆生成することで、集積回路上にレイアウトされた回路が正しく動作するかどうか検証すること)が可能である。VDEC→ミニマルファブへのプロセス変更により、設計回路の仕様変更が必要となった。また、信号発生器を購入した。共同研究者である長崎大学武藤教授は基板を試作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は、Covid-19対応のため学内業務が膨大となり、研究遂行に大きな支障が出た。そのため、現在のところ、学会活動などを通した研究発表が行えなかった。感染予防の観点から、研究打ち合わせは互いに出向くことをやめ、オンラインで情報交換を行っている。その手段として、discordを使った情報のリアルタイムなやりとり、zoomを使って週一回2時間程度の打ち合わせを行っている。共同研究者・協力者の距離が遠いが、オンラインによる情報交換によって、かえって情報交換の密度が高くなっている。当初の計画であるところのCAD立ち上げまでを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
第1回目の試作を2021年7月に行う。ここで、本研究で必要となるインバータ、D-FF、ソースホロア、RCポリフェーズフィルタの個別実装を行い、性能を確認する。第2回目の試作(試作時期は、製造プロセスをもつ会社と交渉中)で回路を組み合わせ、本研究の目標となる全体回路をくみ上げ、測定評価を行う。さらに、2022年3月に研究成果を発表する。
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Causes of Carryover |
2020年度は、Covid-19対応のため学内業務が膨大となり、研究遂行に大きな支障が出たため、次年度使用額が発生した。具体的には集積回路の試作ができなかったためである。使用計画として、次年度に集積回路の試作を複数回行う費用とする。
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