2021 Fiscal Year Research-status Report
論理機能切替え可能な全光論理回路と大容量光通信への応用
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20K04473
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
八嶋 弘幸 東京理科大学, 工学部情報工学科, 教授 (30230197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 保隆 東京理科大学, 理工学部電気電子情報工学科, 准教授 (80434025)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 光論理演算回路 / QD-SOA / highly nonlinear fiber |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では入出力をFSK信号としたAND/OR切替可能な全光論理回路を提案し、性能評価とその有効性を示した。従来研究では、入出力信号が異なる変調方式となる問題点が見られたが、本研究では高非線形ファイバHighly NonLinear Fiber (HNLF)の持つ四光波混合という現象を用いて入出力信号を同変調方式とした論理演算の構成を目指した。シミュレーションによる性能評価の結果、AND/OR演算を切替可能かつ入出力信号が同変調方式であることを達成し、従来研究と比較してほぼ同等の10dBを超えるERとQ値を得ることができた。従来研究では報告されていない全光論理回路を構築したことに加え、全光信号処理におけるHNLFの有効性を示した。 シミュレーションによる入出力波形とアイダイアグラムから、AND 回路構成においてAND 演算で消光比11.54dB、NAND 演算で消光比21.28dB、OR回路構成においてOR 演算で消光比26.27dB、NOR 演算で消光比11.54dB が得られた。AND 演算 とOR 演算では従来研究に対して消光比が1dB ほど下回っているが、演算結果が正しいと確認できたこと、および、複数の論理演算を出力可能かつ入出力信号が同変調方式であることを達成した。本研究は、FSK 信号を入出力とする全光論理回路構成に関連する研究の発展に貢献するものである。 さらに、情報セキュリティについても、ブロック暗号KASUMIに対するBit-Based Division Propertyの適用、また、Fibonacci数列を利用したS-box及び転置関数によるAESへの有効性の調査等について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、位相変調信号に対する論理機能切り替え可能な全光論理回路を検討し、さらに周波数変調信号に対する全光論理演算回路を提案し、その有効性を示すことができた。 入出力をFSK信号としたAND/OR切替可能な全光論理回路を提案し、性能評価とその有効性を示した。本研究では高非線形ファイバHNLFの持つ四光波混合という現象を用いて入出力信号を同変調方式とした論理演算の構成を目指した。シミュレーションによる性能評価の結果、AND/OR演算を切替可能かつ入出力信号が同変調方式であることを達成し、従来研究と比較してほぼ同等の10dBを超えるERとQ値を得ることができた。従来研究では報告されていない全光論理回路を構築したことに加え、全光信号処理におけるHNLFの有効性を示すことができた。 また、情報セキュリティについても、ブロック暗号KASUMIに対するBit-Based Division Propertyの適用や、Fibonacci数列を利用したS-box及び転置関数によるAESへの有効性の調査等について検討することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
位相変調信号のみならず、周波数変調信号に対する論理機能切り替え可能な全光論理回路について、総合的な検討を行う。位相変調信号に対する全光論理回路においては、3dB Couplerを取り除き、コントロールパルスの位相をπ/2ずつ4通りに変えた4つの並列回路に4値位相変調(QPSK)信号を入力すると、位相が一致した回路のみから出力が得られるため、電気信号を用いずに光領域で直接復調できる。この復調回路において、数値解析およびシミュレーションによりアイパターンを求め、消光比、Q値など提案受信機の諸特性を求める。 さらに、光CDMAの全光干渉除去と暗号との併用による情報セキュリティの向上についても検討予定である。種々の共通鍵暗号、すなわち、ブロック暗号KASUMI、軽量ブロック暗号LBC-IoTおよびブロック暗号RAGHAVに対して、攻撃耐性について検討し、光CDMAに適用したときの符号長と多値数等のパラメータと安全性の関係を求め、定量的にセキュリティ強度を評価し、高いセキュリティ機能を有するシステムを目指す。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で学会出張が減ったため
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