2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of low phase noise multiphase CMOS LC oscillators using analysis methods of nonlinear oscillations
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20K04482
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
茂呂 征一郎 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (00303363)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 結合発振器 / 同期現象 / 多相同期 / 位相雑音 / 非線形振動論 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究結果により,本研究で対象とする多相同期CMOS LC発振回路のシステムの数理モデルの詳細な解析が可能となったが,本年度は回路の高周波化に対応すべく,システムモデルを分布定数回路として捉えるための回路解析手法の提案を行った.具体的にはこれまで常微分方程式をベースに解析してきたものを,偏微分方程式として解析できるようシミュレーション手法を改良することができた.特に,微分演算行列を用いて回路方程式を示す偏微分方程式を,より簡単に解析できる手法を提案し,計算時間の低減を図ることができた.これにより,昨年度までに提案した位相雑音低減手法をさらに改良し,より実用的な回路を設計する手がかりを得ることができた.以上本年度の研究成果により,本年度の当初目標であった,(f) 発振器が呈する多相同期の品質を向上させるための回路の再設計を達成することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度までにシミュレーション手法を開発してきたが,そちらに手間取ってしまい,目標としていた回路試作および回路実験による動作検証までは行うことができなかった.今後,回路試作への注力が必要となる.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに回路の解析手法の確立,また,位相雑音の低減手法の提案までをある程度達成することができたので,今後は,それらに基づいた,低位相雑音発振器の設計および試作,また,その動作解析を行っていき,提案システムの有効性を確認する必要がある.
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Causes of Carryover |
回路の試作および回路実験による動作検証が遅れていること,参加を予定していた学会がオンライン開催に変更となり,旅費および参加費が発生しなかったため,当該年度に余剰が発生した.次年度においては,回路試作と実験,学会発表旅費,書籍および消耗品の購入に充てる予定である.
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