2023 Fiscal Year Research-status Report
表面接線電界によるプリント回路からの不要電磁波放射推定方法に関する研究
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20K04487
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
戸花 照雄 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (00315649)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | プリント回路基板 / マイクロストリップ線路 / コプレーナ線路 / グラウンド付コプレーナ線路 / FDTD法解析 / 不要電磁波放射特性測定 / ミリ波周波数 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、前年度までに行ったプリント回路の中心に線路トレースのあるマイクロストリップ線路とコプレーナ線路の不要電磁波放射についてFDTD法を用いた数値解析および電波無響室を用いた測定についての妥当性についての考察を引き続き行い、解析の周波数帯域を30GHzまで、測定においては18GHz までの周波数帯域を利用することで、将来的に高周波数の不要電磁波放射に対する検討を行う布石とした。それに加えて、新規の線路としてグラウンド付コプレーナ線路を加えて、不要電磁波放射についてのFDTD報による数値解析と測定を行った。 昨年度までの課題であったマイクロストリップ線路の数値計算結果の大きさと測定結果が若干異なる問題について検討を進めた。この問題については、プリント回路入力部分のコネクタや立ち上がり部分や同軸ケーブル等の正確なモデル化を行った解析を測定精度向上を目的として行っており、今後も精度の検討を続ける予定である。それ以外にもより簡単なモデルを作成して精度向上を目指す予定である。 また、グラウンド付コプレーナ線路を用いて表面接線電界から不要電磁波放射を計算するためのプログラムの作成について新規で行う予定でありMatlab上での開発を進めている。そのほか、コプレーナ線路からの不要電磁波放射を解析するプログラムはについては昨年度中に完成させ、このプログラムを用いて解析したコプレーナ線路から放射される不要電磁波結果とFDTD法等の数値解析や測定値と比較することにより、プログラムの妥当性を検討しているが、まだ精度があまりよくなく今後の検討として考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マイクロストリップ線路とコプレーナ線路とグラウンド付コプレーナ線路からの不要電磁波放射のFDTD法による解析および測定は予定通り進めており、特にミリ波周波数領域での数値計算と測定を行い新しい知見を得ることができている。ただし、表面接線電界から不要電磁波放射を計算するためのプログラムについて、昨年度から引き続いてMatlab上での開発を進めていたが、コロナ禍で大学に入れない日数があったことも災いとなり、実際の数値解析および測定結果との差がまだ大きく、精度良く解析できるとはいえない状況が続いている。プログラムの間違いか、理論についての考察不足火を現在検討しており、思った以上の時間がかかっている状況である。このため、予定していた進捗状況と比較して1年程度遅くなった。現在プログラムのデバッグを進めているところであり、解析結果および測定結果との比較による妥当性を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、昨年度までに作成したプログラムをより単純な、単一スロット線路を持つプリント回路に適用してプログラムの精度および妥当性の検討を行う予定である。そして、昨年度に完成させたコプレーナ線路の表面接線電界をSDA法により求めて、その表面電界を用いて不要電磁波放射を計算するプログラムを用いた解析を行い、2023年度までに行ったFDTD法を用いた数値計算と測定による結果と比較することで本手法の妥当性およびその精度向上を図る予定である。そのほか、時間があれば上記プログラムを改良することにより差動マイクロストリップ線路およびグラウンド付きコプレーナ線路に本手法を適用するためのプログラムについても、ほぼ動作する状態までに進めていきたいと考えている。また、差動マイクロストリップ線路からの不要電磁波放射についても数値計算と測定を行う準備を進める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス蔓延のため研究がやや遅れていることに加えて、2020~2022年度に予定していた出張が遠隔で行われていたため、研究発表旅費がかからなかった。その分が執行できずに繰り越される結果として次年度使用となった。2024年は論文作成や国際会議発表などにおいて、研究成果の発表を積極的に行うことにより、今までの遅れと執行の遅れを挽回する予定である。
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