2020 Fiscal Year Research-status Report
酸化スズ薄膜結晶の酸素欠損補償によって実現される1ppb感度の呼気ガスセンサ
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20K04504
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
安藤 毅 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (00712431)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 酸化物半導体 / ガスセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,薄膜結晶状の酸化物半導体ガスセンサを用い,VOCに対し1 ppbのガス感度を達成することを目的とする。センサ膜としては,サファイア基板上にスパッタリング法を用いてエピタキシャル成長させたSnO2薄膜結晶を採用する。 研究開始前の予備実験において,成膜時の基板温度が高いほど結晶性がよく,高電子移動度の薄膜が得られた一方で,SnO2結晶から酸素が脱離し,その欠陥由来の電子が発生してしまっていた。 初年度実績として真空装置の設計を行い,積極的に酸素欠損を補うため,成膜中に酸素を供給できる成膜プロセスの実現に取り組んだ。また,一般的な真空ヒータは酸素雰囲気では劣化が激しい。そこで真空装置外部よりランプの赤外線を導入して,高温の成膜温度を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本人の所属研究機関の異動があり,当初使用予定であった真空装置が利用できなくなったため,新規真空装置の設計と調達を行う必要が生じた。その対応に時間がかかったため,提案手法を実現する装置の作成までで進捗が留まっている。
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Strategy for Future Research Activity |
提案手法を実現する装置の作成にめどが立ったため,今後は,成膜中に酸素を供給できる成膜プロセスによって積極的に酸素欠損を補い,研究目的実現のための高品質な膜の作成とその評価に取り組む。
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Causes of Carryover |
研究者異動に伴う研究設備の再調達に伴い,設備備品費の使途に変更が生じた。翌年度予算と合算して,追加設備の調達を行う予定である。
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