2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an ubiquitous diagnostic system of trombosis available at the time of emergency disaster
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20K04507
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Research Institution | Chitose Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
横井 直倫 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 准教授 (60353223)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 計測工学 / 血流評価 / 血栓症診断 / フラクタル / 画像処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、独自に構成する血栓可視化・血行動態分析用センサユニットを用いて血栓の検出および血流速度、ストレス状態、血液粘度、血液濃度変化の解析を実施し、これらの結果をWi-Fi環境を介して関係医療機関で共有し、医師による血栓症治療法の選択を支援できるユビキタスな血栓症診断システムを開発することを目的として遂行された。 令和4年度は、まずタブレット端末上に前年度までに開発した血栓検出ならびに血流速度、ストレス状態、血液粘度、および血液濃度変化の解析のためのソフトウェアを全てインストールし、タブレット端末をベースとした血栓症診断システムを構築した。次に、本システムによる検出・解析結果をWi-Fi環境を介して医療機関への配置を想定したワークステーションに転送できるネットワークシステムを構築し、本システムによる検出・解析結果を新設のネットワーク対応ハードディスクに蓄積保存しデータベース化して共有できるユビキタスな血栓症診断システムとして確立した。さらに、ウマ保存血液の疑似血流を対象として本システムの性能試験を実施し、本システムが実用化に耐え得ることを実証した。その上で、本性能試験の成果に基づき、必要とされる修正、改善および本システムの有効性の評価を行い、本研究を完了した。 研究期間全体を通じて、研究開始当初からの目的であった、画像処理に基づく血栓検出技術と血行動態分析技術の融合による低価格でなおかつ簡便に利用できる血栓症診断システムを開発することができた。従って、本システムは地震や洪水等の自然災害が近年多発している国内において、血栓症の検査・治療段階における医療費増大の抑制と患者の負担軽減を同時に実現できる可能性が高いものと考えられることから、今後の血栓症診断技術の発展に多いに貢献するものと期待される。
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