2020 Fiscal Year Research-status Report
インコヒーレント照射型ミリ波イメージングシステムの開発
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20K04515
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 弘康 東北大学, 工学研究科, 助教 (20302234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 強 東北大学, 工学研究科, 教授 (30261580)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アンテナ / イメージング / パッシブ / アクティブ / 照射源 |
Outline of Annual Research Achievements |
空港をはじめとする水際では,液体やプラスチック等,金属探知機で検知できない不審物を所持する不審者を迅速に検知する手段としてミリ波イメージングによる検知が行われている.ミリ波パッシブイメージング技術は,人や物体が放出するミリ波帯の微弱な熱雑音を受信し,検波・増幅・画像処理することで非接触・非侵襲で衣服下の危険物を検知する技術である.このパッシブイメージングの課題として,周囲環境の熱雑音の影響でミリ波画像のコントラストが悪くなり危険物の有無の判断が困難になることが挙げられる.そこで,本研究ではインコヒーレント照射源を用いたミリ波イメージングにより人体と物体のコントラストを向上させる方法について詳細に検討した. インコヒーレントアクティブイメージングの物理的特徴として,照射角度,照射偏波について主に検討した.照射源を連続的に走査しながら照射しイメージングを行い,ミリ波イメージングにおける角度依存性の課題を克服可能か評価した.その結果,散乱断面積の小さい被写体は角度依存性が小さく,どの角度から照射を行っても検知特性を向上させることができることを明らかにした.一方,散乱断面積の大きい被写体の場合はすべての照射角度で物体を検知できるわけではなく,ある特定の角度で照射した場合に物体からの散乱波がイメージング素子に入射し,コントラスト向上効果を得た. また,照射偏波,物体の配置を変えてイメージングを行い,実験によってインコヒーレントアクティブミリ波イメージングの照射偏波依存性を検討した.その結果,主偏波で照射を行ったときに物体のコントラストが向上すること,円筒導体のような特定の方向に長さを持つ偏波依存性の大きい物体においては,主偏波と物体偏波が直交しても,照射したミリ波に対して物体の直径が大きければコントラストが向上する知見を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画のインコヒーレント照射源の開発,照射源とセンサアレイのシステム化の一部が達成できたため上記区分を選択した.
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Strategy for Future Research Activity |
機械学習のミリ波イメージングへの適用を現在進めており,既に所定の成果が得られてきている.今後も機械学習を取り入れた応用を検討する.
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Causes of Carryover |
今年度は,主に理論的な検討が必要であったため次年度に繰り越すことにした.次年度は主に実験的検討が必要なため,未使用金は実験用消耗品の購入をはじめとする費用に充てることを計画している.
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