2021 Fiscal Year Research-status Report
未踏周波数帯における電気インピーダス量の計測基準の開発
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20K04526
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
堂前 篤志 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (20357552)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インピーダンス / インダクタンス / キャパシタンス |
Outline of Annual Research Achievements |
応募者は、測定の基準が存在しない周波数帯(未踏周波数帯)における電気インピーダンス量(キャパシタンス、インダクタンス、抵抗)の計測技術の確立を目指して研究を進めており、本研究ではそのキーデバイスとなる、「MHzからSub-6周波数帯に対応した電気インピーダンス量の基準を与える高周波インピーダンス基準器(RF Impedance Standard: RFIS)の開発」を行っている。 昨年度はRFISに最適な寸法設計を行い、RFISの製作を行った。本年度は、研究実施計画に従い、完成したRFISの寸法(内部導体の外径:a、外部導体の内径:b、および長さ:l)を高精度に評価した。 RFISの内部導体の外径:aは、レーザーの走査光を遮断する影で内部導体の内径を非接触で測定可能なレーザーマイクロメーターを用いて測定し、レーザーマイクロメーターはピンゲージを用いて長さの国家標準へトレーサビリティをとった。RFISの外部導体の内径:bは、プローブ先端のノズルから噴出する空気の流量によって外部導体の内径を測定するエアマイクロメーターを用いて測定し、エアマイクロメーターはリングゲージを用いて長さの国家標準へトレーサビリティをとった。RFISの長さ:lはマイクロメーターを用いて測定し、マイクロメーターはブロックゲージを用いて長さの国家標準へトレーサビリティをとった。 無損失を仮定して、上述の寸法測定結果からRFISのインダクタンスおよびキャパシタンスを推定した結果、インダクタンス値は10 nH、キャパシタンスは4.0 pFと推定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の発出に起因した出勤制限により、RFISの評価の実施に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れが生じているRFISの評価を本年度前半に実施する。それと並行して3年目に予定しているRFISに起因した不確かさ(測定精度)評価を実施することで、研究期間終了までに研究計画を達成することを目指す。
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Causes of Carryover |
2021年度に参加予定であった国際会議が現地開催からオンライン開催へ変更となったため、旅費などの支出を行わなかった。また、緊急事態宣言発出に起因してRFISの評価の実施に遅れが生じたため、この評価で必要な消耗品の一部を購入しなかった。これらの理由により次年度使用額が生じた。 次年度使用額は本年度に実施を予定しているRFISの評価にて、必要な物品の購入に充当する予定である。
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