2022 Fiscal Year Annual Research Report
未踏周波数帯における電気インピーダス量の計測基準の開発
Project/Area Number |
20K04526
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
堂前 篤志 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (20357552)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 電気インピーダンス / 基準器 / 伝送線路特性 / インダクタンス / 不確かさ |
Outline of Annual Research Achievements |
応募者は、測定の基準が存在しない周波数帯(未踏周波数帯)における電気インピーダンス量(キャパシタンス、インダクタンス、抵抗)の計測技術の確立を目指して研究を進めており、本研究ではそのキーデバイスとなる、「MHzからSub-6周波数帯に対応した電気インピーダンス量の基準を与える高周波インピーダンス基準器(RF Impedance Standard: RFIS)の開発」を行っている。 初年度はRFISに最適な寸法設計を行い、RFISの製作を行った。次年度は、完成したRFISの寸法を高精度に評価し、RFISの寸法で決まるインダクタンス値を推定した。 本年度はRFISの寸法で決まるインダクタンス値と解析モデルとを組み合わせてインダクタンス基準値の推定を行い、ISOガイドに基づいて不確かさ(測定精度)の推定も行った。ベクトルネットワークアナライザを用いた伝送線路特性評価結果を解析モデルに組み入れ、RFISのインダクタンス値の周波数特性を推定した。周波数特性の推定範囲は、MHzからSub-6周波数帯に対応するため、40 MHzから18 GHzとした。インダクタンス値は、代表値として、周波数1 GHzにおいて10.032 nH、その測定の拡張不確かさは0.011 nHと推定した。RFISの長さ(機械長)と位相成分から求めた電気長を比較する本課題独自の妥当性確認手法により、推定したインダクタンス値の妥当性確認を行った。その結果、周波数40 MHzから18 GHzの範囲において、機械長と電気長は不確かさの範囲内で一致した。この結果により、推定したインダクタンス値の妥当性が確認できた。 研究の初年度から本年度(最終年度)までの一連の成果により、「RFISの設計・製作を行い、RFISによって設定した基準値の精度(不確かさ)をISOガイドに基づいて詳細に評価する」という本課題の目標を達成した。
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