2021 Fiscal Year Research-status Report
飛行生物の運動データの特性抽出モデルに基づくバイオインスパイアード制御法の構築
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20K04529
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
河辺 徹 筑波大学, システム情報系, 教授 (40224844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
合原 一究 筑波大学, システム情報系, 准教授 (70588516)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | バイオインスパイアード制御 / 運動データ / 特徴抽出 / 飛行生物 / 数理モデル / モデル予測制御 / 人工移動体 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き本年度も,コロナウイルス感染症の影響のため,飛行生物の動画像データの収集のためのフィールドワークが一度しかできなかった.また,研究動向の調査や意見交換のための学会参加等の出張もほぼできなかった.このため,実施できたフィールドワークで収集,蓄積したウミネコの動画像データを不十分なデータ数ながら,昨年度実施した過去のデータに基づいた着地動作の解析手法を基盤として,特に離陸動作に着目した数理モデル化に焦点をあてて研究を進めた.データは,2021 年6 月24日に茨城県大洗港公園にて,風速,風向,気温,湿度を計測しながら,同期した2台のカメラでウミネコが離陸,着陸をする様子を数回分撮影したものである.この画像データに対し,個体追跡とDLT法による3 次元空間座標への再構成による解析を行い,ドローンを対象とした無人飛行体におけるスムーズな離発着制御への応用として,モデル予測制御法を基礎として改良した手法による実現可能性を検討した. また,この際に検討したモデル予測制御法の改良手法を用いて,電気自動車を組み合わせて二酸化炭素排出量削減と電力の安定供給のための電力系統の安定制御法へ応用する研究を行い,IEEE Access, Volume 9に掲載された. さらに,この手法を基礎として,自律走行パーソナルモビリティの障害物回避等に対する運動制御法としてポテンシャル場と組み合わせた方法を開発し,計測自動制御学会論文集,第57巻10号に掲載された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度に引き続き,2年続けてコロナウイルス感染症の影響により,飛行生物の運動に関する動画データの収集が十分にできなかったことや,研究動向の調査や意見交換のための学会参加等ができなかったことから,主として既存データを用いた解析とそれに基づく制御法の検討,ならびに副次的な内容の研究開発しかできなかったことが主要要因である.一方で,研究開発したモデル予測制御法の改良手法を電力系統や自律走行パーソナルモビリティなどの別対象にも展開できたことは二次的な成果としての意義があったと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
可能な限り,フィールドワークを行い,新たな動画像データの収集に努める.その上で,昨年度構築したウミネコの着地動作モデルや本年度検討した離陸モデルに基づいたモデル予測制御手法を,新たに収集するデータとの整合性の分析を踏まえ精度を高めるとともに,これとポテンシャル法との組み合わせにより,ドローンやパーソナルモビリティなどの人工移動体に対し,ウミネコの正確で動きのなめらかな動きを模倣した運動制御法としてロバスト性と実用性を高めた手法としての確立を目指す.特に,ウミネコの着地ならびに離陸動作における,ジャークの時間変化に重きをおいた評価規範を用いた制御則の導出を行うことが一つの鍵となると考えている.併せてウミネコだけでなく,飛行する昆虫等も対象として検討し,これらのデータ収集とそれに基づく数理モデル化と運動制御法の構築も視野に入れて進めたいと考えている.これらの実施により,昨年度からの課題であったモデル化誤差に対する補正機能を加えた学習型のモデリング手法の検討や,モデル予測制御だけでなくスライディングモード制御やILQ制御等の枠組みも基礎とした検討も進めたいと考えている.
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Causes of Carryover |
【理由】昨年度に引き続き本年度もコロナウイルス感染症のため,動画データの収集のためのフィールドワークや,研究動向の調査や意見交換のための学会参加等の出張等がほとんどできなかったため,出張旅費等の支出があまりなかった.謝金についても,フィールドワークが行えなかったことから,データ収集及び解析補助のための研究協力者となる学生への依頼が発生せず支出がなかった.このため,購入を予定していたデータ収集ならびに解析用のPC等の物品等についても,一部を除いて既存PCを用いることで研究を進められたためである. 【計画】R4年度も,コロナウイルス感染症の状況が未だ見通せないが,できるだけ,動画像データの収集のためのフィールドワークを行い,データの蓄積と解析を進めることが重要となる.そのための出張旅費や,データ収集とその整理やデータ解析の補助を行ってもらうための研究協力学生への謝金、R2, R3年度と購入を見送ったデータ解析用の専用PC等の物品の購入,情報収集や成果発表を積極的に行うための関連する国内外の研究集会やワークショップなどへの参加ならびに研究成果の論文投稿もできるだけ精力的に進めて全体的な執行を行いたいと考えている. (251文字)
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