2021 Fiscal Year Research-status Report
Realization and validation of task switched model predictive control
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20K04533
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥田 裕之 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (90456690)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | モデル予測制御 / 自動運転 / ハイブリッドダイナミカルシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
統制された環境での運転が可能な自動車専用道における自動運転とは異なり,一般道での自動運転を実現するためには,様々な運転シーンにおいて必要となる多様なタスクを切り替えながら走行する必要がある. モデル予測制御(Model predictive control, MPC)は,①自車両や他車両のダイナミクス,②車両の物理限界や安全性への要求から決まる制約条件,③達成すべき目標を記述する評価関数,をそれぞれ数学的に記述することで,多様なタスクを実現できるため,自動運転の次世代基盤技術として期待されている. しかしながら,通常,一つのタスクに対して上記の①~③をセットとし,一つのタスクを実現するためのMPC(ここではタスクMPCと呼ぶことにする)を定義する必要があった.しかし,自車の速度域の変化によるダイナミクスモデルの変化や,予測対象となる周辺車両の台数によって①が変化したり,徐行,追従,フリー走行,交差点通過など走行時の目的や,障害物やブラインドコーナー等のリスクの存在に応じて③が変化したりと,達成すべきタスクMPCは目まぐるしく変化するため,これらの状況や目的の組み合わせで膨大な数のタスクMPCが必要とされる問題がある. 本年度はこのような問題に対応するため,上記のような複合的なタスクMPCをまとめて定義する代わりに,タスクを小さなサブタスクを定義する「MPCプリミティブ」に分解し,走行状況に合わせてこれらを組み合わせて,実行するべきタスクMPCを動的に組み立てる「MPCビルダ」を考案し,実装,シミュレーションを用いて動作検証を行った. レーン追従,前方車追従,歩行者回避,路側障害物回避,一時停止などのタスクが,時間的に切り替わったり,並列に実行される状況を想定し,MPCビルダのコンセプトが正しく動作することを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では,本年度は,昨年度では2つのタスク間のみであった結果を拡張し,3以上のタスク間の滑らかな遷移をシミュレーションにて検証する予定であったが,多様なタスクをどうMPCで設計するかを考えていく中で,多様なタスクをタスクの分解と合成のアイデアで少ない手間で設計,実行可能となる強力な枠組み,「MPCビルダ」の着想を得たため,まずこの課題に取り組み,シミュレーションによりその有効性が検証されたため,想定外の技術的発展があったと判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度で開発したMPCビルダは,単一の目標を実現するシンプルなサブタスクを実現するMPCプリミティブを複数組み合わせ,合成し,多様なタスクMPCを生成するフレームワークであるが,この合成したタスクMPC間を切り替える際には,本科研費の研究項目における当初の問題設定であった,MPC間の切り替えに関わる接続性の問題が生じる.そこで,昨年度研究,開発した中間MPCの自動生成技術とこのMPCビルダを組み合わせ,多様なタスクを滑らかに接続するためのMPCフレームワークの実現を目指す. これを実現するためのアルゴリズムはおよそ目算がついており,具体的な走行状況を想定したタスクシーケンスに対して適用し,シミュレーションによる検証を用いて,問題の洗い出しを行う必要がある.ただし,複数のタスクを並列で実行するという本枠組みでは,そもそもの各タスクの優先度や,現実の問題をどうタスクに分解するか,といった問題が,アルゴリズムそのものとは別の問題として存在しており,まずはタスクを明確に切り出しやすいシンプルな環境においてアルゴリズムそのものの研究,開発に注力する.
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Causes of Carryover |
コロナの状況により,出張費が削減された分,予算に余剰が生じたため. 次年度はコロナの状況が改善することが期待されるため,次年度の出張費として充足し,研究成果の発信に努める.
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Research Products
(9 results)