2020 Fiscal Year Research-status Report
閉ループ同定アルゴリズムの開発及び統計的な方法に基づくシステム同定の展開
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20K04535
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 秀幸 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (90303883)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 閉ループ同定 / 不安定系 / 最小実現 / 確率実現 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,閉ループデータに対してモデル低次元化することなく,同定対象そのものの次数でモデルを求めるような閉ループ部分空間同定法を開発することで,閉ループ同定やシステム同定に関する本質を探っていくことである。 閉ループ下における不安定系の同定について調査を行い,同定対象の最小実現を得るための問題設定を行った。従来の入出力のみを観測する閉ループ同定では,イノベーション表現の最小実現を求めていたが,同定対象とノイズモデルで異なるA行列(状態行列)を許容し,同定対象の最小実現を求める問題設定を行った。本問題設定に対し,OKID とよばれる従来法でも同定対象の最小実現が得られるが,これを不安定系にそのまま適用した場合,同定対象の次数決定の際に数値的に不安定になることを指摘した。本研究では,数値的に安定に次数の判定をするための行列を考え,第63回自動制御連合講演会でこれを提案した。 第63回自動制御連合講演会で提案した行列を計算する方法についてさらに考察した。第63回自動制御連合講演会で提案した行列は,理論的には不安定系の同定対象のブロックハンケル行列にブロックテプリッツ行列をかけることで得られる。しかし,第63回自動制御連合講演会で発表した際には,計算する際においても不安定系のブロックハンケル行列を用いる方法しか得られていなかったため,今後の問題として残っていた。そこで,不安定な同定対象のブロックハンケル行列を直接用いることなく,数値的に安定に計算する方法を提案した。これを第8回計測自動制御学会制御部門マルチシンポジウムで発表した。 閉ループ環境におけるイノベーションモデル推定の推定向上について,共著者とともに第63回自動制御連合講演会で発表を行った。また,共著者とともにバイアス項低減に関する数値的解析について,第8回計測自動制御学会制御部門マルチシンポジウムで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
閉ループ同定に関して,モデル低次元化することなく同定対象そのものの次数でモデルを求める閉ループ部分空間同定法を開発するメドが立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
実現理論の観点から,無限長のデータが与えられた場合について厳密な議論を行う。得られた閉ループ同定法に関して解析を行う。
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Causes of Carryover |
本研究の予算の多くは学会参加等の旅費に用いる予定にしていたが,新型コロナウイルスにより学会はオンライン開催となった。このため旅費を使用しなかった分,差額が生じた。次年度使用額は769,500円,令和3年度直接経費は500,000円であり,計算用ソフトウェアや計算機の増強,学会による調査・研究発表や消耗品等により予算を使用する予定である。
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Research Products
(4 results)