2021 Fiscal Year Research-status Report
閉ループ同定アルゴリズムの開発及び統計的な方法に基づくシステム同定の展開
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20K04535
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 秀幸 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (90303883)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 閉ループ同定 / 部分空間同定法 / 不安定系の同定 / 最小実現 / LPV システムの同定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、不安定な同定対象に対し、同定対象のみの最小実現を求める同定法を開発することである。また、統計的手法や機械学習を用いパラメータ依存システムの同定を行なう。 閉ループ下にある不安定な線形時不変系の入出力が与えられる際に、最小実現を求める問題を定式化し、SYSID 2021 で発表した。制御対象とノイズのモデルは共通でない状態行列を持ち、補償器は有限次元の線形時不変系であると仮定している。従来法である OKID を不安定な制御対象にそのまま適用した場合は数値的な問題が起きるが、それを回避するための方法を提案した。 閉ループ下にある不安定な制御対象の最小実現値を求める問題を定式化し、第64回自動制御連合講演会で発表した。この研究は、SYSID 2021 で発表したものと異なり、有限次元の線形時不変補償器を仮定していない。ヒルベルト空間における入出力データの直交直和分解を導入し、最小実現のための状態推定法を導出した。これにより、不安定な制御対象の最小実現値を求める実現アルゴリズムを開発し、閉ループ部分空間同定法を得た。 LPV システム(Linear Parameter Varying)を同定するための状態推定について考察し、MSCS 2022で発表した。カーネル最小二乗法とカーネル正準相関分析を用い、線形時不変系を同定するための2つの状態空間同定法(PBSID と確率実現あるいは確率部分空間同定法)をLPVシステムの同定に拡張した。確率実現をLPVシステムに拡張して得られた同定法が、近年提案されたLPV システムに対する閉ループ同定法と一致することを示した。数値シミュレーションにより、PBSID をLPV 系に拡張した方法が優れていることを示した。 イノベーションモデルの推定に CCA 重みを導入して解析し、研究協力者とともに SYSID 2021で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
閉ループ同定に関して、モデル低次元化することなく同定対象そのものの次数でモデルを求める閉ループ部分空間同定法を開発した。LPV システムに対し、カーネル法によりシステムの状態を推定する方法に着手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
カーネル最小二乗法とカーネル正準相関分析を用い新たなシステムの同定を開発することで、動的システムのモデリングに対する展開を行なう。
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Causes of Carryover |
本研究の予算の多くは学会参加等の旅費に用いる予定にしていたが、新型コロナウイルスにより学会はオンライン開催となった。このため旅費を使用しなかった分、差額が生じた。 今後、閉ループ同定やカーネル法を用いたシステム同定に関する研究を進め、さらなる解析を行うために、助成金を使用する予定である。
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Research Products
(4 results)