2021 Fiscal Year Research-status Report
Deepening of control theory for systems with stochastic dynamics and its application
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20K04546
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細江 陽平 京都大学, 工学研究科, 講師 (50726411)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 確率系 / 確率制御 / LMI / ネットワーク化システム / 通信遅延 / 多目的制御 / 確率過程 / 制御工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き,数値計算の軸,学問的基礎の軸,実応用の軸という3つの観点から研究を遂行した.もっとも重要な成果としては,IEEE Transactions on Automatic Control に掲載された,確率系の安定性に関する論文があげられる.本研究では動特性が確率的に変動するような確率系を議論の対象としているが,その動特性を決める確率過程に関して,従来研究では何らかの都合のよい仮定がおかれ,そのもとで安定性に関する理論の導出がなされていた.上記論文では,系が離散時間かつ線形である範囲において,その確率過程に,安定性を定義する上で最低限必要になるものを除き一切仮定をおかない状況下で,安定性を特徴づけるリアプノフ不等式を導出することに成功した.これにより,確率過程に仮定をおく特殊な状況下でのリアプノフ不等式を,既知になっているものを含め,その特殊ケースとして容易に導くことができるようになった.これまで扱われていなかった確率系のクラスの中にも実用上有用なものはあると考えられ,それらへの本成果の活用が期待される.また,今年度はこの他,確率過程がi.i.d.過程である状況下において,係数行列がランダムポリトープで特徴づけられる確率系のゲインスケジューリング制御,ステップ目標値追従制御,多目的制御等に関する検討を行った.さらに,通信遅延がランダムであるようなネットワーク系に対する状態推定器設計や,粒子フィルタを用いた確率制御についても検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
成果を発表しつつ研究が進められており,概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が最終年度であるので,より多くの成果が発表できるよう,着手している研究の完成度を高めていく予定である.
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