2022 Fiscal Year Research-status Report
実時間モデル化機能を有するモデル予測制御論の確立とその予測型耐故障制御への応用
Project/Area Number |
20K04548
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
和田 信敬 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (50335709)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | モデル予測制御 / LPVモデル / 耐故障 / リアプノフ安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題では,制御実行時の観測情報を基に,制御対象の特性変動を高精度に推定・予測し,制御システムの安定性を保ちつつ,制御性能の最適性を保持し続けることを可能とするモデル予測制御アルゴリズムを構築することを目的とする.2022年度は,研究計画に従い,線形パラメータ可変(LPV)システムとして記述されたシステムについて,入出力データから状態と可変パラメータを推定する手法を構築した.構築した推定アルゴリズムは,凸二次最適化の反復計算に帰着されている.また,最適化変数を削減する手法も構築した.以上の性質より,推定値を効率的に得ることが可能である.提案法を,自動車の状態,物理パラメータ,および,車両位置の同時推定問題に適用し,その有効性を数値例により検証した.これらの成果については,電気学会にて2022年度に発表済みである.また,LPV形式で記述された動的システムについて,パラメータの不確かさ,あるいは,変動の下で,制御システムの安定性を保証可能なモデル予測制御アルゴリズムを構築した.提案アルゴリズムは,二次制約付き凸二次計画問題,あるいは,線形制約付き凸二次計画問題に帰着されている.そのため,効率的に解を得ることが可能である.また,パラメータの変動の下で,目標信号への追従を実現する制御アルゴリズムも構築した.LPVシステムに対する成果の一部については,計測自動制御学会において2022年度に発表済みである.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論的基盤の構築は順調に進展していると考えている.2023年度の早い段階で,査読付きジャーナルへの投稿を完了する予定である.一方で,実験検証については,一部の構成部品の調達に遅れがあったが,2023年度には実施出来ると考えている.
|
Strategy for Future Research Activity |
制御,並びに,推定に関する理論的基盤は概ね構築できた.本年度は,まず,それらを組み合わせ,制御対象のパラメータ変動をオンラインで推定しつつ,その情報に基づき制御器をオンラインで調整する手法を構築する.つぎに,このようにして構築した推定・制御手法を実験装置へ適用し,有効性を検証する.
|
Causes of Carryover |
実機実験で使用予定であった実時間制御用コンピュータおよび入出力ボードの調達に遅れが生じた.そのため,次年度使用額が生じた.現時点では,当該物品の調達日数は正常化されている.本年度は,次年度使用額により,本年度前半で当該物品を調達し,実験評価を実施する予定である.
|
Research Products
(4 results)