2022 Fiscal Year Research-status Report
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20K04551
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
田村 健一 東京都立大学, システムデザイン研究科, 助教 (40534912)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 評価回数制約問題 / 多点型アルゴリズム / 最適化問題 / ブラックボックス関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に構築した「目的関数の評価回数に対して制約が課されたブラックボックス最適化問題に対する解法の枠組み」に対して、その性能分析をさらに進めることを目的として、従来とは異なるアプローチで性能評価を行った。具体的には、従来は対象アルゴリズムのパラメータ値として、デファクトスタンダードなパラメータ値を採用し、その数値実験結果と提案手法の結果を比較評価していたが、今回は対象アルゴリズムのパラメータ値を、その定義域内で微小区間ごとに設定し数値実験を行ない、それによって得られた大量の実験データに基づいて統計的に評価する方法を考案した。結果として、有力な多点探索アルゴリズムであるDifferential Evolution に対して、提案手法の結果は、対象実験データの第三四分位数よりも優れていることを確認することができ、それを国際会議で発表した。今後は、他のアルゴリズムに対しても同様の分析を行い、その結果をまとめて論文誌に投稿する予定である。また、これまでは問題のクラスを無制約・単一目的最適化問題としていたが、有制約・多目的最適化問題への展開も行った。具体的には、MOEA/Dと呼ばれる無制約・多目的問題に対する有力な多点探索アルゴリズムを対象とし、それを有制約問題に対して与えられた評価回数制約のもとで、効果的に機能させる手法を提案し、国内会議で発表した。提案手法は、各探索点に対して、目的関数ベクトルのスカラ化関数と制約違反量から構成される拡張スカラ化関数を導入し、その重みベクトルのバランスを決めるパラメータを評価回数に応じて調整する機構を有している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナが感染拡大した際に研究以外の業務が急増してしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでの成果をまとめて学術雑誌にて発表することを目指す。また,有制約・多目的問題,応用問題に展開していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大に伴う様々な規制によって国際会議での発表ができなかったことが最大の理由である。新型コロナ感染症の脅威が落ち着き、様々な規制が緩和・撤廃される次年度では国際会議での発表を積極的に行う予定である。
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