2020 Fiscal Year Research-status Report
Development and Experimental Validation of Nonlinear Control Theory for Tower Cranes
Project/Area Number |
20K04554
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
忻 欣 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (70293040)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | タワークレーン / 劣駆動系 / 非線形制御 / 安定化制御 / ロバスト制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
タワークレーンの制御には、安全性を維持し、高速・正確な吊り荷の位置決めを実現しつつ、過渡時の吊り荷の振動と残留振動を抑制することが重要であるが、その滑車の並進運動とアームの回転運動のみで、非駆動である吊り荷の位置決めと揺れの制御に多くの挑戦的課題がある。本研究では、タワークレーンを対象とし、その非線形動特性や構造を活かして、制御則を設計するとともに、不確かなパラメータと外乱を考慮したロバストな適応追従制御、吊りロープの柔軟性を考慮した非線形制御に関する設計・解析法を構築し、その妥当性・有効性を実機実験により検証する。本年度では、以下の主な研究成果を挙げた。 まず、劣駆動ロボットのすべてのリンクが共に鉛直真下姿勢で静止した真下平衡点への振れ止め制御は、クレーン系の振れ止め制御や体操競技の姿勢制御などに求められるものである。このため、2つの2リンクの劣駆動ロボットを対象とし、その非線形動特性を活かした振れ止め制御則を提案するとともに、その制御則下でのロボットの動きを大域的に解明し、制御ゲインを代表極の最適化によって解析的に設計する方法を確立するとともに、その提案則の有効性を数値シミュレーションでも示した。 つぎに、タワークレーンを対象に,吊り荷を目標位置へ移動させながらその振動を抑制する非線形制御則を設計するとともに、閉ループ系の目標平衡点における安定性を解析し、制御目的が漸近的に達成されることを示した。また、制御ゲインを代表極の最適化によって解析的に設計し、提案した制御則の有効性を数値シミュレーションでも示した。 最後に、タワークレーンを対象に,与えられた目標軌道を正確に有限時間で追従する非線形追従スライディングモード制御則を提案し、その追従誤差が有限時間内にゼロに収束することを理論的に証明した。また、提案した制御則の有効性を数値シミュレーションおよび実機実験により示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
いつかの研究成果は国際学術雑誌などに掲載されている。
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Strategy for Future Research Activity |
計画のとおりに研究を進める予定である。また、得られた成果を国際学術雑誌などに投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更なく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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Research Products
(7 results)